「ペンギン・カフェ・オーケストラ」 |
場内にはよく冷房が効いていた。
「ペンギンにゃ絶好のコンディションだ」
友人は寒そうだった。
ヤシの木の鉢植えが2つ3つ。向かって右手にソファーがひとつ。
実にシンプルなステージにペンギン・カフェ・オーケストラが登場した。
ペンギン・カフェ・オーケストラは、当時、ブライアン・イーノらがやっていた環境音楽と呼ばれる一派だった。当然、アルバムだけのアーティストでありライヴステージなどあるわけがない、と思っていたので来日公演のニュースを聞いて驚いた。率直に言うとあんまり期待しないで友人と出かけたのだ。
しかし予想を大幅に裏切り、ペンギンどものライヴパフォーマンスはものすごいものだった。
ペンギン・カフェ・オーケストラの音は自然に一番良く似合う。
春も夏も秋も冬もである。
特にペンギン・カフェ・オーケストラをカーステレオで聴きながら夏の高原を走るのは人生の楽しみの一つになっている。
音楽っていいな、とストレートに思える貴重なアルバムである。
シェイカーはコカコーラの缶に砂を詰めたものだったし、アルバムクレジットにあったゴムバンドというのは本当にただのゴムバンドだった。椅子の背に張ってかき鳴らすのである。
デュオ、トリオ、フルオーケストラ(10人くらいだけど)と形態を変えて巧みに演奏する。ソファーは演奏をしないメンバーが座って休むのである。
アルバムの絵にあったペンギン人間は登場するは、ダンサーは変な踊りをするは、パントマイマーが活躍するは。
ステージは大盛り上がりで終了した。
また行きたいなあ。
(2005年3月26日)