「ザ・ショッキング・ブルー・ダブル・デラックス」
ザ・ショッキング・ブルー

マリスカ・ヴェレス:ヴォーカル
ロビー・ファン・ロイヴェン:リード・ギター、シタール
クラッシュ・ファン・デア・ヴァル:ベース・ギター
コーネリア・ファン・デア・ベーク:ドラムス


「履歴書」みたいなものの「趣味」という欄には「音楽」と書くけれど、私はさして音楽に詳しいわけでもなく、オーディオマニアでもない。
音楽っぽいことといえば、サッカーをテレビで見ながらメトロノームに合わせて周囲の物を叩くくらいである。
レコードやCDも特に集めているわけでもないのでそのコレクションは貧弱だ。
だから人に誇れるようなものではないのだが、これはあんた持ってないだろうというものが数枚ある。その中の一枚がこれだ。
ザ・ショッキング・ブルー・ダブル・デラックス
どうだ
と言わんばかりのタイトルである。
ダブルでデラックスである。
その名の通り2枚組みになっていて、1枚目はショッキング・ブルーのベスト版。
そして2枚目が
「世界最大のショッキングなグループ、ショッキング・ブルー」
という、
「お前の方がよっぽどショッキングだ」
といいたくなるようなMCで始まる1973年来日時のライヴ版である。
当然だが1枚目のA面1曲目は「ヴィーナス」、B面1曲目は「悲しき鉄道員」。そしてライヴ版のオープニングとエンディングは両方とも「ヴィーナス」である。
すごいなあ。ツェッペリンでもここまでしないよ。

ライヴ版にはインストの曲が1曲入っているが、感心するのはメンバーの技量の確かさである。きっちり練習しているのがよくわかる。アレンジには自分たちのできることは最大限やってみようという意欲が見える。
ギターとベースにいくつかエフェクターが使われている他はヴォーカルにリバーヴがかかっているくらい。ミキシングはステレオ録音を意識した音の配置になっている。
デジタル技術が全盛のこの時代、ショッキング・ブルーの音は新鮮で力強い。

(2006年11月19日)