「ブルガリアン・ヴォイス・カテドラル・コンサート」

ブルガリア放送合唱団


神奈川県民ホールに彼女たちの歌が響き渡った時、少し泣いてしまった。音楽を聴いて泣くことなどなかったし、将来的に泣く予定もなかったので、かなりびっくりしたことを覚えている。「これは神の声だな」と思わせるほどのパンチ力だったのだ。
東西南北全ての文化を飲み込み融合したような独特のセンス。ビリビリと響く不協和音。流れるように進む変拍子。お釈迦様が十字架に貼り付けられたような不思議な感じ(信心されている方、悪意の表現ではありません)。ブルガリアン・ヴォイスはとってもおもしろい。
このアルバムはドイツのブレーメンでのライブ盤。ブルガリア放送合唱団は星の数ほどいる歌い手の中から選抜された人達なんだそうである。確かに各地の歌い手の歌を採集したアルバムと比べると洗練されている感じがする。リズムも鋭角的だ。
有名な「トドラは夢を見る」も入っているし、民族楽器の演奏もいいし、コミカルな歌もあるしで楽しめる1枚だ。

(2007年1月3日)