釣りツアー参加記


ちょっと長い前置き

8月24日から26日まで有隣堂カルチャ−クラブが主催する「フライフィッシング実践・東北の釣り」に参加しました。
この講座の謳い文句は
「管理釣り場には慣れたが、自然の渓流に出たことがない人、仲間と釣りを楽しみたい人が対象。川に合ったキャスティングでヤマメやイワナを釣る。3〜4人に指導者が1人つく。ビギナーもベテランも楽しめる。」
というもので、プログラムにはキャスティングレッスンも含まれます。
これまでの釣行記をご覧いただくとわかるとおり、私はほとんど単独で釣りに行きます。別に特に孤独が好きなわけではありませんが、一緒に行く人が回りにいなかったからです。どうしてもわからないことは、ショップやよく行く宿のオーナーに聞いていました。みなさん親切に教えてくれます。
それはそれでいいと思うのですが、時々浮かぶ疑問として、果たして自分が実際に川でやっていることは普通なのか?すごく非効率的なことや珍奇なことをやっているのではないのか?フライフィッシングをやっている人ってどんな人なのか?というものがあります。
この疑問を解くためにはいわゆる「FFスクール」等に行けばよいわけです。今まで機会がありませんでした。今回は日程的にもちょうどよく、参加することにしました。
参加した結果は非常に有意義で、興味深いことを知り、学ぶことができたと思います。
ですから今回の釣行記は釣果があまりなかったこともありますが(笑)、内容は短くまとめ、最後に感想などをまとめてみました。
それでは始まり始まり。


2001年8月24日(金)晴れ
「ヒル!」

夏休期間中とはいえ、朝8時半の東海道線に大きなバックとロッドケースを持って乗るというのは非常に目立つものです。幸い川崎駅から座れました。
10時12分発の新幹線で新潟へ。そして羽越本線で村上に向かいます。
普段の釣りは車なので、釣り道具を持って電車に乗るというのはちょっと不思議です。まあ寝ていけるからいいですけど、羽越本線はぼけていると秋田まで行ってしまいます。

今日から3日間有隣堂カルチャ−クラブが主催する「フライフィッシング実践・東北の釣り」に参加です。
新潟の村上市が東北なのかどうかは疑問の残るところですが、細かいことは気にしません。

1時過ぎに村上につくとこどもや釣具店の平野さん、一緒に指導をしてくれる大瀧さんが迎えてくれました。参加者は全部で5人。去年参加された方もいました。
さっそく三面川の河川敷に行き、キャスティングレッスンです。平野さんが#7を振ってフルラインを出して見せます。すごい!
ここではレッスンの合間に#10のダブルハンドロッドも振らせてもらいました。いいものですね!
レッスンの後は宿に荷物をいったん置き、近くの川(と言っても山の中)に行って2時間ほど釣り。平野さんがアドバイスをくれます。私は「ピックアップが早い」と言われました。
この日は時間も短く、私がイワナの稚魚を釣ったのみでした。
川から上がると、のどに黒いものをつけた人があります。私はほくろかな?と思いましたが、後でヒルと知りました。

2001年8月25日(土)くもり
「イワナの味噌汁」

宿舎を5時出発。2グループに分かれ、長津川を1日かけて釣りました。
私は平野さんのグループに入りましたが、結果的にはちょっと渋く、平野さんが1匹、他の方が1〜2匹ずつ、私はおでこ。私はちょっと大きな魚をばらしてしまいました。だめですねー。
もう片方のグループは大瀧さんが型をそろえました。
お昼は川で火を起こし、岩魚の味噌汁をご馳走になりました。岩魚のだしがきいて非常においしいものでした。

この日一番大変だったのは3時過ぎからでした。
4時に上流で、もうひとつのグループに車で拾ってもらう約束でしたが、3時くらいになって平野さんが急がないと間に合わないと言います。置いていかれることはないでしょうが、心配をかけてしまいます。
竿をたたみ、ここから川沿いに猛ダッシュです。本当にものすごく大変でした。川の中を急いで歩くものではありません。
最後は斜面を登って道路に出たのですが、ここがクライマックスでした。
川から見ると上の道路は見えません。斜面の藪もきつい。この辺だろうと当たりをつけて登ります。ところがあと一息と言うところで前を登っていた平野さんが止まります。
ツルに絡まって動けないのです!「カッターはありませんか?」と平野さんが言います。私も必死でナイフを出し、「今切ります」と言ってツタを滅多切り。インディージョーンズの世界でした。
道路に出たときは本当にほっとしました。

夜は大滝さんのやっているお店でおいしい牡蠣、イワナ、枝豆などをいただき、大満足でした。
久しぶりの新幹線 水のきれいな長津川 薪を集めて火をおこし、
川の水とイワナと山菜で
イワナの味噌汁

2001年8月5日(日)晴れ
「またアブ」

今日は最終日。荷物をまとめて8時に門前川に出発。ヤマメの川だそうです。
釣り始めましたが小さなヤマメばかり。同行の人が1匹、まあまあのサイズを出しましたが、大きいのはいないようでした。漁協が稚魚放流をしたばかり、という感じです。
この日はアブがひどく、アブの止まり木のようになっている人もいました。私も数箇所を刺され、翌日には左の手のひらがはれ上がってしまいました。
やっと奥只見で刺されたところが直ったのに!

2時に終了。終了と同時に雨。
駅まで送っていただき、横浜に戻りました。
大きいヤマメは釣れませんでした もうすぐ秋ですね 今度はもっと釣ろう 雨の村上駅

今回の感想など

○フライキャスティング
平野さんは非常にフライキャスティングを重視していました。ま、当たり前と言えばそれまでですが、平野さんのシングル、ダブルでのすばらしいキャストを見ると、これができれば釣りの幅が広がるな、と思いました。
なお、平野さんはトーナメントキャスターを目指していたこともあるそうで、その話もたいへん興味深いものでした。
○フライフィッシング的?
平野さんは障害物の多い渓流でも、投げられると判断すると遠くからフルキャストしていました。リールを使う釣りの利点を最大限に生かしているわけです。
私はたとえ投げられる状況でもできるだけポイントに近づいて、という努力をしていますので、これが新鮮でした。すごくフライフィッシングっぽく感じました。
ただ、平野さんは小さなポイントではそれこそ脇に立ってフライでちょんちょんと水面をたたくようにして魚を引き出したりして、柔軟に対応していました。
○リーダーシステム
私は普通、12ftのリーダーに2ftほどティペットを足して使っています。やはりドラグ回避や食わせるのに有利と思うからです。
平野さんからはリーダーは基本どおり竿1本分でいいと言われました。やはりきちんとターンオーバーさせることができて、初めてドラグの問題などを考えることができる、ということです。私も9ftを使用してみましたが、確かにコントロールがよくなるといいますか、すぱっと思ったところに入るような気がしました。もう少し研究してみます。
○縦のドラグ
私が解決したい問題のひとつに、私が「縦のドラグ」と呼んでいるものがあります。落ち込みのすぐ上、つまり肩の部分というのは狙い目ですよね。ところが真下から狙うと落ち込みの流れにラインが巻き込まれ、すぐにドラグがかかります。ラインスラックを作って対処しようとしましたが、かえって落ち込む流れに巻き込まれます。
横から釣ればいいのですが、そうできない場合もあります。こんな時、エキスパートはどうするのか?というのが今回の課題のひとつでした。
答えは無理、ということです。やはり横から狙うしかないとのこと。なかなかきびしいですな。
○フライフィッシャーはおしゃれ?
参加者の方を見ていますと、ロッド、リールはもちろん、服装や小物類についてもけっこうブランドもの(?)で揃えていました。
やっぱりフライフィッシャーはこういうところにも気をつける人が多いのかなあ。
○JFF
参加者5人の内、3人がJFFの会員でした。この講座自体がJFFとつながりがあるそうなので多くて当然なのですが、少し驚きました。
情報などを集めるのにも便利ということです。私も入ろうかな?
○忍野
どこに釣りに行きますか?という話をした時、やはり忍野が出ました。ランディングネット製作講習会の時も忍野とうらたんざわ等の管理釣り場の名前が出ました。
どうやら東京及び近郊のフライフィッシャーの必須項目のようです。
リンク先のアクアミュージックでも忍野のことをいろいろ教えてもらいました。来シーズンにはデビューしてみましょうか。
○プロショップ
話題のひとつにプロショップの対応がよくない、というのがありました。フライを始めようとしてショップに行ったらわけのわからないことを次々と聞かれたので帰ってきてしまった、という方がいました。これには賛同意見が多く、フライフィッシングの未来のためにもプロショップは顧客対応を考えたほうがよさそうです。
平野さんからは親切な東京のショップを何軒か教えてもらいました。