栃木・山形・福島遠征記Part2



(前回までのあらすじ)
男鹿川で行われた家元様の例会に参加したカモノハシは、ハヤを釣ってポイントを稼ぐという禁じ手を乱発。釣り大会2位に食い込んだ。
また、ビールを飲んで酔っ払い、川原で転倒するという隠し芸まで披露。
イワナの放流をしたりして楽しく過ごした後、福島県は裏磐梯にある風来坊へ向かう。
翌日の釣行先は山形の朝日川に決定。
遠いいぞー


2002年9月15日(日)雨のちくもり
「歩いて歩いて」

4時に腕時計のアラームがなります。
ここはどこだ?
・・・・・
ここは風来坊だ!おお、釣りだ!釣りに行くんだ!
窓を開けてみると雨。うーん中止か。いや、みんな行く気満々だろうな。
私も気合を入れて歯を磨きます。

今日のメンバーは6人
風来坊のオーナー一美さん。ドクターYさん。風来坊で行われた里見さんのスクールに参加したというOZさん。
銚子から来た若い二人組み。そしてカモノハシ。
私とドクターYさん、OZさんは一美さんの運転する風来坊の車に乗り込みます。
銚子のお二人は昼までしか釣れないとのことで自分達の車です。
裏磐梯から朝日川までは車で3時間以上かかります。
一美さんが大変なので、私も運転を代わりたかったのですが、マニュアル車はいまひとつ自信がありません。

朝日川に着く頃には雨は上がりました。
朝日川は下流の方は水も多くいい感じです。でも3連休の中日とあって人が多いようです。
しばらく行くと水量が減ってきます。上流に取水ダムがあるためです。
取水ダムの上は水量が戻ります。
一美さんが入渓場所を決めます。
ドクターYさんとOZさんは取水ダムの上の右の沢。銚子のお二人は左の沢。
ドクターYさんとOZさんとは集合時間を確認して、一美さんと私は下に戻って釣ります。

さすが有名な朝日川。連休とあって入渓ポイントにはすべて車が止まっています。
何とか車が止まっていない所を見つけて川に下ります。
水量が少ないので、水量が少し多くなるところまで下ってから釣り上がることにしました。
水が少ないのでティペットは7Xです。
さて、釣り始めてみるとまったく反応がありません。
一美さんも釣れません。
おかしいなーと思っていると、水深のあるところでやっとイワナがヒット。フライはテレストリアルパターンです。
すぐに一美さんにもきました。
これは楽勝か、と思いましたがその後はまったくだめ。やっぱり水量が少ないのと、すでに誰かが釣った後のようです。
やっと釣れた小さなイワナ。
きれいですけどね。

昼近くなりました。
一美さんが場所を変えて、ドクターYさんたちの後を釣ってみようと言います。
おにぎりを食べた後、車に戻って再び上流へ。
ダムの上から釣り始めるとすぐにイワナがヒット。でも残念、ばれてしまいました。
いかんなー

結局、ドクターYさんたちに追いつくまで釣ったのですが、一美さんが小さいのも含め3匹追加したのみ。
ドクターYさんも1匹釣ったとのこと。
「ドクター、先行者はいたんですか?」
「いたもなにも、釣り始めたらすぐに上から餌釣りの人が3人降りてきました。」
やっぱり連休は難しいんでしょうか。

帰りは狭い登山道を歩いて帰ります。
「いやー、今日はいい運動になった。」
とはドクターYさんの弁。
ここを渡るとわかっていればおれは来なかったぜ!
ひえー

夕食の時、話題が最近の犯罪についてになりました。
ひとしきり話した後、私が
「最近の犯罪は生活に直結しているものが多いですね」
と言うと、それまで話を聞いていたドクターYさんが

「釣りはいいよなー
女房が逃げるくらいで、殺されることはないものなー」



2002年9月16日(月)雨のち釣りが終わったらくもり
「静かな沢にて」


前日に引き続き一美さん、ドクターYさん、OZさんと釣り。
さすがに釣り旅も3日目となると疲れます。昨日の朝日川でも川原で冬眠してしまいたいくらいだったのですが、今朝も引き続き疲労気味です。
川へ行く途中のコンビニで栄養ドリンクを飲んでしまいました。
今日は押切川の上流にあるM沢を釣ります。4人で釣るには狭いそうですが、アクシデントに備え、一塊で行くことになりました。

9時半くらいに到着。
車を降りて沢に沿ってついている名ばかりの登山道を進みます。
ブナとミズナラの森を流れるすばらしい沢です。
30分ほど歩いてから釣りを始めました。

交代で釣っていきますがあたりなし。
小魚も見えません。昨日の朝日川と同じ感じですね。
連休最終日ですから釣り人に攻め続けられているのでしょう。
一美さんが首を傾げます。

一美さんが釣れないくらいですから、あたりまえのポイントを釣ってもだめでしょう。
小さなポケットにフライを落としていくことにしました。
釣り始めて1時間くらい。
落ち込みの横にフライを入れます。ドラグがかからないようにスラックを入れましたが、やがてフライは流されて、ふっと沈みました。
こういうときは油断したらいけません。水の中で何かが動きます。
竿を立てると手ごたえ!やったー
22〜23くらいですが、きれいなイワナです。
ひれがしっかりした感じでした。
やれやれです。
雨の中を釣ります。
(一美さん)

一同活気づいて釣り上がりましたが、魚が出たのはこれだけ。
2時くらいになったので、釣りを終了。
いつのまにか息が凍っています。動いているので気がつきませんでしたが、気温が下がってきているようです。
草が生い茂る森の中をホイッスルを吹きながら進みます。
途中でOZさんが足を踏み外し、6メートルくらいの高さから転落!となるところを草をつかんで踏みとどまるという高度なパフォーマンスもありました。


道なき道を進む。
手前からOZさん、ドクターYさん、一美さん。

道路のそばまで来ると、まだ時間があったので適当に散らばって釣ってみることにしました。
一美さんは入ったことのない枝沢の様子を見てくるといって川を渡っていきます。
私はへばらないように、一番下流で釣ることにしました。

大きな淵があるのでフライを流してみます。すると魚が出ました。小さいのでフッキングしません。
もう一度投げるとまた出ます。
今日は魚の反応がなかったので、魚が出るのがうれしく、しばらくそこ遊んでいました。
回りを見るとカゲロウのハッチがあります。
そこへ一美さんがネットに魚を入れて現れました。枝沢で釣れたとのこと。ちょっとヤマトイワナみたいです。

この辺で時間切れ。
電車で帰るドクターYさんを喜多方駅まで送り、風来坊に戻ります。
OZさんも自分の車に荷物を積んで帰って行きました。
今夜の宿泊客は私だけです。

夕食の後、一美さんと釣りや魚や川のことを話しました。
一美さんが言います。
「今日は今年初めてのボウズかと思いました。」

さすがだー、一美さん。



2002年9月17日(火)雨
「最終日・・・ですが」


今日は釣り旅最終日。雨が一番強く降る日となりました。
なお、この日は車にカメラを置いてきてしまい、残念ながら画像はありません。

昨日は最初から下の方をやればよかったのではないかとの反省もあり、一美さんが最後に釣った枝沢に入ってみることに。
これがまたすごい沢でした。大きな岩がごろごろ。落差もあり、上流は見上げるような角度です。
昨日のM沢もゴミが1〜2つ落ちている程度でしたが、この沢には人工物がまったくありません。

なんだかNHKのドギュメンタリーに出てきそうだなあ、と思いました。

交代で釣りあがります。すぐに一美さんにあたり。
「来ました」「来ましたか」
私も負けじとがんばります。するとひらきであたり。
どうも警戒している様子はありません。
しばらくして一美さんが1匹釣り上げます。やはりヤマトイワナみたいだったとのこと。

大きな岩や倒木をよじ登り進みます。
ふと見るとすぐそばにいいポイントが。私から3メートルほどです。近すぎるかと思いましたが、魚は警戒していないようです。
流れのど真ん中にフライを流しました。すると底からイワナが上がってきてフライを追います。
ヒット!
「釣れた!一美さーん」
と叫んだとたんにばれてしまいました。がっかり。本当にがっかり。

そこから先は一美さんが気を使ってよさそうなポイントはすべて私に譲ってくれましたが、あたりはありませんでした。
「どこかが魚止めなんでしょうか?」
「そんなことはないと思いますが・・・」
1時間ほどがんばってみましたがかすりもしないので釣りを中止。
車に戻ると一美さんはもっと下流部を釣ってみましょうか、と言ってくれましたが、私はもうへばってしまい、今日の釣りはこれで終了としました。

二人ともずいぶん濡れてしまったので、喜多方の道の駅の温泉に入りに行きました。
温まった後は喜多方ラーメンを食べます。私はこれまで2回ほど喜多方でラーメンを食べましたが、それほどおいしいとは思いませんでした。
しかし一美さんが連れて行ってくれたラーメン屋はすばらしくおいしい店でした。

一美さんと別れ車を走らせます。
この4日間、私の釣りにつきあって下さった方たちに、感謝、感謝。

堰堤下を狙う一美さん





おまけ

最後の日、私と別れた一美さんは再び沢に戻り、尺を頭に8匹釣ったそうです。
ぴーす