2003年11月2日(日)晴れのち曇り
「雑技を見ること」
昨日、音楽スタジオで楽器を鳴らして遊んだのですが、ドラムの正面にフェンダーマーシャルのアンプが並び、それぞれにギブソンレスポールフェンダーストラトが突っ込まれ、大音量の演奏となりました。生音のドラムは必死でした。

そんな訳で、やや急性難聴気味の耳をつけたまま丹沢ホームフィッシングエリアに車を走らせます。
今日はフォックスファイアー晴海トリトン店主催の釣行会。
今回は釣りをするだけではなく、フライフィッシングの講座「ライトライン使いこなし講座〜実釣編〜」も開かれます。

到着してみるとすでに駐車場はほぼ満杯。午後には路駐の車も出るほどでした。
ハイカ−も多かったのですが、釣り人もいっぱいでした。


受付に集合して自己紹介した後、川に行ってまず講師の東瀬一郎さんのデモ。
今日のテーマは、ロングティペットリーダーではない、通常の仕掛けでのリーチキャスト、カーブキャストです。
しかし私が注目したのは東瀬さんが行うメンディングと左手のハンドリトリーブでした。
午前中は一人10分ずつレッスンをしてもらえるとのこと。順番を待つ人は周辺で釣りをすることになりましたが、私を含めて3人は順番が回ってこなかったので、午後からとなりました。
越冬のためかテントウムシが
大量に集結


「あの岩の前をまず流してみてください。」
と東瀬さんが指差します。5メートルくらい先の大きな岩の前の浅い淵です。左岸から右岸を狙いますので左カーブを投げることになります。
緊張します。私のカーブキャストはペンション風来坊の一美さんがやっているのを見よう見まねで覚えたものです。まともなんでしょうか。
「うん、(ドライフライが)いい感じで流れてますね。」
東瀬さんが言ってくれます。得意得意。

3投目くらいでしょうか。ばしゃっとドライフライに魚が喰らいつきました。寄せてみるとイワナ。
「すごいなー。釣っちゃいましたね。カーブキャストはできるんですね。」
「はあ。友人にものすごくうまい人がいまして。」
「そういう人と一緒に釣りができるのはいいですね。じゃあ、何をテーマにしましょうか。」
と東瀬さんが行ってくれましたので、メンディングのデモをお願いしました。
これがすごいものでした。

ポイントをまとめますと、ラインには必ずたるみ(スラック)を作り、そのたるみを利用してラインを操る、というものです。
私はメンディングというと上流側に行うもの、と漠然と思っていましたが、東瀬さんによると必要に応じて上流側、下流側どちらにも行うのだそうです。
なるほど、やって見せてもらうとすぐに納得できますが、自分ひとりではなかなか思いつきません。
東瀬さんのすばやいラインさばきは、私が認識していたメンディングとはまったく異質のものでした。

東瀬さんは対岸にフライを流し、ラインにたるみを作ると、フライの流れを一定に保ちながら上流下流と交互にメンディングを入れて見せてくれました。
思わず「おおー」と声が出てしまいます。

「それっ(上流側)」
「おおー」
「どっこいしょ(下流側)
「おおー」
「はいっ(上流側)」
「おおー」
まるで中国雑技団のようです。

レッスンの後、メンディングを意識して釣ってみました。これまでできなかったことが少しだけできるようになりました。
あまり魚は釣れませんでしたが、恐ろしく収穫の多い1日でした。