裏磐梯釣行記
裏磐梯名物砲弾ヤマメ
上は釣り人一美さん
下は釣り人カモノハシ


2004年6月24日(木)くもり時々晴れ
「隠れるイワナたち
この間はアユ釣りだったし、その前の奥只見は釣りの方はさっぱりだったし、その前は・・・そうだ、奈良子釣センターで釣行会だった。
1ヶ月くらいフライフィッシングで自然渓流の魚を釣ってないんだなあ
風来坊の客室のベッドの上に寝転びながらぼけた頭で考えます。

今日から3日間、ペンション風来坊に泊まり、オーナーの一美さんと釣りをします。
8時に到着したのですが、昨日から宿泊されているお客さんのチェックアウトの時間が思ったより遅くなったとのことで、釣りに出発したのは9時半。

今日行くのはR川。舗装道路からそれて、林道をがりがり登っていきます。
車を降りてしばらく歩くときれいな川に出ました。川というより沢といった感じです。
私が支度している間に、365日釣り体勢が整っている一美さんが竿を出し、1回ばらしましたがすぐに今日の初物を釣り上げました。
少し上に上がって私もすばやく1匹目。
クマか!プレデターか!
と思ったら
林業関係の方でした。

今日は楽勝かー、と思いましたが、残念ながらなかなか難しい釣りになりました。
先日の台風で増水気味なのでは、と思って来たのですが、一美さんによるとそんなに雨は降らなかったとのこと。
川はやや減水気味で、水温が15度くらい。イワナたちも少々へばり気味でした。
淵によっては私達が踏み込んでもじっと動かないイワナがいたりしました。
釣れるポイントも普通とは少し違う感じです。
このイワナは水溜りのような所の岩陰に隠れていました。
右上の写真の左の岩の下です。
妙な所にいますね。



この川はつい先日まで大きな雪渓があり、釣り人の行く手を阻んでいたのだそうです。
そのせいでしょうか、山肌がごっそり崩れているような所が何ヶ所かありました。
これが崩れる現場にだけは居合わせたくないものだと思いました。


2004年6月25日(金)雨
「梅雨の釣り
朝6時半に風来坊を出発。いかにも梅雨だぞ、という天気です。
今日のB沢は行程が長く、川原は少なく、きっちりクマはいる、という申し分のない釣り場です。
一美さんが私からペットボトルホルダーを借りて、カウンターアソールト(クマ撃退用スプレー)を入れています。
林道を歩き始めてしばらくすると、急に一美さんが「そこに何かいる!」と言って立ち止まります。
しばらく様子を見ていると、現れたのはカモシカ。おどかすんじゃねーよ。
カモシカは人を見ても逃げませんね。

B沢はやや減水気味。水温は14度くらい。少し高いですね。
昨日と同じでぽんぽん釣れません。ポイントをうまく攻めるとイワナがドライフライに飛びつきます。
一美さんが肩(淵の流れ出し)を釣るのを高い所から見ていたのですが、イワナは底の方からドライフライに出てきました。
やはり渇水気味なので警戒しているのでしょうか。

雨のためラインのトラブルが多く、また魚の活性のせいかばらしも多発。
ただでさえ雨なのに、雨具を着て歩いていると汗をかくため服もかなり濡れてしまいました。
疲れますねえ。

そろそろ今日の釣りも終わりという頃、絶好のポイントに出ました。深さも流れの速さも今日の「当たり」です。
大きな岩の横にドライフライを流すと、いきなり大きな魚がどばっと出ました。合わせると手ごたえあり!
しかし、やった!と思ったらばれてしまいました。
手がプルプルと震えます。
しかし気を取り直して第2投。
先ほど魚が出たポイントのやや下流までドライフライが来ると、またしてもどばっと大きな魚がフライにアタック!
しかしこれは魚がドライフライをくわえず空振り。
手がプルプルと震えます。
振り向くと一美さんが残念そうな顔をしています。さらに気を取り直して第3投。
今度は出ませんねえ。フライをピックアップ(次のキャスティング動作に移るためにフライを水から引き上げること)し始めたその時、イワナがドライフライを追っているのが見えました。しまった、と思いましたが、ドライフライが動いてしまったのでイワナは水底に引き返してしまいました。
手がプルプルと震えます。
もうこの後、魚はまったく出ませんでした。しばらく立ち直れませんでした。

最後の淵で一美さんと1匹ずつ釣り上げ、今日の釣りは終了。
帰りの林道はクマにおびえつつ、ホイッスルをやかましく吹き続けました。

雨と汗でびっしょりになったので、喜多方市の温泉に入り、喜多方ラーメンを食べて風来坊に帰りました。
妙な橋のむこうで私を待つ一美さん。
手にはしっかりと
カウンターアソールトが握られています。


桧原湖まで戻ってくると、
白い大きな虫がいっぱい飛んでいます。
道路にも白い点々が無数についています。
モンカゲロウのスーパーハッチ。
一美さんによると6月頃に1日だけ起こるのだそうです。


2004年6月26日(土)雨のちくもり
最後に晴れ」
今日も6時半に風来坊を出発。
今日釣りをするK沢は一度釣ったことがあります。水がおそろしくきれいな沢です。釣れるイワナもきれいな魚体でした。
車川降りてヤブをくぐって沢に出ます。
「?」
小さな沢にごうごうと水が流れています。昨夜はそんなに雨が降ったとは思えませんが、山の上の方は雨量が多かったのでしょう。
一美さんが少し釣ってみましたが、釣れる釣れないよりも「なんとなく危ないんじゃねえの?」と思わせる水勢です。
一美さんの提案で川を変えることにしました。
K沢で果敢に釣る一美さん。

変更先はK川。ここはヤマメ、イワナが両方釣れます。
川へ降りてみると、ここはやや減水しています。
ポイントを求めて川原を歩くと砂地に足跡を発見。
人ではないし、シカやカモシカにしては大きすぎるし・・・何の動物の足跡かどうしても思い出すことができず、気にせず釣ることにしました。

大きな巻き返しがあり、一美さんがそこを釣るように勧めてくれます。
ドライフライを浮かべると、流れに乗ってドライフライが奥の岩の下のほうへ流れていきます。
ラインを繰り出していると、ふっとドライフライが見えなくなりました。竿を立てると魚です。ごんごんと淵の中を走ります。
釣れたのはそんなに大きくはないですが、体高のあるいかにも裏磐梯らしいヤマメでした。
うれしい一匹です。

その後、あたりはそれなりにありますが、なかなか釣れません.
しかし午後には雨も上がり、雨具を脱いで楽しく釣れました。

午後4時過ぎに納竿。
いつ来ても楽しい裏磐梯でした。
帰る頃に晴れました。