2004年9月18日(土)くもりのち雨
「♪あるー日ー、森の中
9月18日から21日は3連休。
「ゲストハウス ライズ」の名藤さんに電話すると、19日はガイドできるとのことでお願いしました。
今日は飛騨川上流を釣ってみます。
明日、あさってはBOSSさんがコバさん、のほーきさん、Leemanさん達とこのあたりで釣りをするそうです。
私もお誘いを受けたのですが、すでに名藤さんのガイドの予約を入れてましたのでそちらには参加できませんでした。
BOSSさんよりも1日早くこの地に入り、場を荒・・・いや有用な情報を得ておこうと思います。
野麦峠を越えて岐阜に入ると釣り人の車が何台か止まっています。もう9月ですからみんなラストスパートですね。はは。
今日は初めての沢に入ります。すでに9時近くでしたが、行ってみると車はなく私が一番のようです。
渓相はいいんですが・・・


さて、予感というものはあるものです。
なんだか今日は不穏な日になりそう。
そんな気がします。
ま、そんなこと言っててもしょうがないので、支度をして川に降ります。
それにしてもウェーダーはいて、ベスト着て、渓流魚を釣るのは久しぶりです。うーん、7月に南相木川に行って以来じゃないかなあ。
川べりでロッドを組み立て、リーダー結んで、ティペット結んで、フライ結んで、と下を見ていると。

なんだこれ?

しばらく考えましたが、釣りを始めることにしました。
今日は鉈を持ってきてないんだよなー

魚は釣れません。時々ドライフライにばしゃっと飛びつきますが、フライを食っているわけではありません。
おかしいなあ。まるで「先行者」がいるみたい。
でも濡れた岩もないし、足跡もないし・・・
と林の地面を見ます。

なんだこれ?

今日はナイフも忘れちゃったんだよなー

魚が釣れないまま2時間近く経ちました。
大きな淵が見えます。右岸側(上流から見て右側です)から岩を登り淵のそばに出ました。
そして笛を吹きました。
すると対岸に動くものがあります。
大きな動物です。
イノシシか?

あら、
クマだわ。


距離は15メートルもありません。
どうしよう。
その時、ぱっと頭にひらめくものがあり、私はクマに言いました。
「明日、BOSSさんを襲ってください。BOSSさんを襲ってください。BOSSさんを襲ってください。」
3回お願いしました。するとクマは藪の中に消えて行きました。
けっこう近かったですねー
毛がふさふさしているのも見えました。

その後も釣り上がったのですが、魚は釣れないし、それになんだかクマを見たらぐったりしてしまいました。
入渓点まで戻って釣りを終了。
ここにいました。
今日はこれっきゃないし。


コンビニのおにぎりを食べ、昼寝をしているとすごい勢いで雨が降り始めました。
雨の中車を走らせ、今夜の宿である奈川村に向かいます。奈川村に着く頃には雨は小降りになってきました。
携帯電話が鳴ります。BOSSさんです。
天気が怪しいので飛騨川釣行を決行するかどうか迷っているとのこと。
私は雨が降ったこと、今は小降りになって空が明るいこと等を伝えました。
BOSSさんはこちらに来る気になったようです。電話を切ると私は空を見上げました。

「クマも待ってるよ。」

ペンション「木の実」にチェックイン。
夕食後、名藤さんが尋ねてきてくれました。

2004年9月20日(日)雨のち晴れ
ガイドの敵」
朝起きてみると土砂降り。こら今日のガイドサービスは中止かなあ、と思いつつ朝ごはんを食べていると雨は小降りに。
支度を整え名藤さんを迎えに行くと、お昼のおにぎりを作っている最中でした。
名藤さんの運転で出発。
目的の川に到着してみると、すでに車が止まっています。釣り人でしょうか?
少し上流部から川に入ることにします。
左:支度する名藤さん。

右:あまりにも私が釣らないので
自ら探りを入れる名藤さん。
増水すると遡行もたいへん。

案の定、川は増水していました。
さて、釣り始めたのですが今日も釣れません。何度かフライを見に来る魚がいましたがヒットしません。
名藤さんも最初はキノコ探しなどをしていましたが、私がいっこうに魚を釣らないのでいろいろアドバイスをくれるようになりました。

これまで名藤さんのガイドでボウズになった人はいません。ついに私がその記録を破るのでしょうか。
なんでこんなに魚の出が悪いのでしょう。最初は二人とも先行者のせいだと思っていたのですが、先行者の跡が見つからないので、やはりこれは増水のせいらしいということになりました。
おにぎりを食べながら対策を練ります。完全に水面に浮くフライではなく、半沈みのテレストリアル(陸生昆虫)フライを使ってみることにしました。
名藤さんが次々とポイントを指示してくれます。しかし釣れないのでその難易度はどんどん上がっていきます。
「あの枝と枝の間!」「えぐれた岩の一番奥!」「激流の向こう側の鏡!」
「うひゃー」

そしてついにその時が。
落ち込みの巻きを白泡ぎりぎりに漂わせていると、びしっとイワナがフライに飛びつきました。
「やったー」「やったー」
小物に二人で大喜びです。
その後は夕方までぽつぽつ釣れるようになりました。
天気が回復して暖かくなったのと、水が引き始めたのが良かったのだと思います。自然現象には勝てません。
これはまあまあサイズ。


川で見つけたキノコを携えて「木の実」に戻りました。
今日は何度も転倒しました。特に岩角にぶつけた右の手のひらが痛みます。
「木の実」の奥様が湿布薬をくれました。感謝。

2004年9月21日(月)晴れ時々くもり
「連休はおしまい
「木の実」をチェックアウトした後に奈川の支流へ行きました。
村内を車で走ると釣り人が目につきます。もうすぐ禁漁ですからねえ。
川はやはり増水気味です。2時間ほどやってみたのですがまったく反応なし。
魚だけではなく、なんだか生き物の気配がとても薄いですね。
本流を釣ってみることも考えましたがあまり気乗りがせず、村営の温泉に入って帰路につきました。



「木の実」の夕食はイタリアン。とっても美味。
私と名藤さんが採ったキノコも出ました。
脱出用ロープも各部屋にばっちり。






人生
落とし穴