2005年3月20日(日)曇りのち晴れのち雪
「横浜から蒲田川まで4時間半です
中央自動車道では曇っていたが、安房トンネルを抜けて岐阜県高原川の上流部である蒲田川に着いてみると晴れ。
蒲田川では天候が悪いとハッチがあり、魚が釣れるという構図になっているので晴れは困るのである。
そんなことを言っていても仕方ないので釣り券を購入して様子を見がてら上流へ向かう。
釣り人がたくさんいる。それでも3連休のど真ん中にしては少ない方なんでしょう。
なんせ天下の蒲田川だからね。

上流部にも人が入っていたので、今度は下流部に向かう。駐車スペースを見つけて川に入る。この辺を釣るのは初めてである。
水温を計ると9℃。この季節にしては驚異的な高水温。地熱の高い上流はもっと水温が高いわけだ。
ドライフライで充分狙える状況である。
ライズを探したが見当たらないので釣り上がることにする。

30分ほど進むとよさげなポイントがあった。岩に沿ってフライを流す。フライが岩陰に入って視界から消えるとさっと魚影が動いた。
合わせるとヒット!やったー
なかなかいいヤマメである。
結論から先に言うと今回の釣行で釣れたのはこの1匹だけだった。
だがこの時はそんなことは知る由もなく、私って天才かもしれない!などと妄想に浸っていた。

その後1時間ほどやるがまったく反応なし。
水の記憶」の今尾さんに電話する。
今尾さんも今日ここに来られるはずだったが、今は岐阜市にいるとのこと。到着は明日。
今尾さんからポイントを教えていただいて移動する。しかしまったく反応なし。
日も傾き、雨も降ってきたので車に戻る。雨はすぐ雪に変わった。
唯一の釣果はこのヤマメ。
23〜24センチくらいだがなかなか立派な体格。
このウェーディングシューズも古くなり、
皮を縫いつけてある糸がほつれ
皮がはがれてしまった。
買い換えようかと思ったが、
布用接着剤で補修したら直った。
もう少し働け。


2005年3月21日(月)超快晴
「スタッドレスでないと危ないですよ
窓が凍って開かなくなった。
安房トンネルの料金所に着くまでに
開くようになるかどうか心配だった。
乗鞍高原にあるペンションメイプルリーブスで目覚めてみると、昨晩降った雪がみっしりと積もっている。
蒲田川に向けて出発するが道路にはところどころ雪が残っている。
なにせノーマルタイヤ。不安なのでレッド・ツェッペリンのプレゼンスをカーステレオから流し、気持ちを高めて進む。

安房トンネルを抜けてみると上宝村への下りの道はかなりの積雪である。Xトレイルの性能を信じて慎重に下る。

   接触事故を起こしている車がいる。
   スリップして坂道を登れず、岐阜県から脱出できなくなっている車がいる。
   とどめにガードレースに突っ込んで身動き取れなくなっているトレーラーがいる。

緊張する。今や私の心の支えはロバート・プラントの歌声だけである。

やっとの思いで蒲田川に到着。
道の駅ではあはあいっていると、「渓とか、樹とか、葉の香りとか」のcaddisさんから電話が入る。しばらくするとcaddisさんがやってきた。お会いするのは3年振りである。
昨日釣れたポイントに二人で入る。
私はドライフライ、caddisさんはニンフ。万全の体制と思われたがまったく反応なし。ハッチは時おりぱらぱらとある、という程度である。


釣りに少し飽きた頃、携帯電話が鳴る。今尾さんだ。蒲田川に到着したとのこと。状況を聞かれたので、ここは死の川であることを伝える。
2時間ほどがんばったがかすりもせず。caddisさんが「ハヤも来ない」と言ってがっかりしている。

道の駅で待っていると今尾さんが到着。今尾さんは私たちより下流部で釣っていたそうだが反応はあったとのこと。
食事をしてから今度は3人で上流の方へ移動することにする。
車に向かってよちよち歩いていると、誰かがcaddisさんを呼んでいる。振り向いてみると「さすらいの釣り馬鹿(と以前いただいた名刺に書いてあった)」浦口さんである。
浦口さんはこれから帰るところとのこと。話を聞くと今日は4匹獲ったそうだ。さすがである。

浦口さんから川の状況をいろいろ伺う。
「おととい(つまり私が来る前日)は良かったですよ」
く・くやしい
浦口さんにお礼を言って上流部へ。


ここは岸辺に露天風呂があり、水着のおねーさんやバスタオルを巻いたおばさんや何も身に着けていないおとーさんやらがいる。
そこから離れて釣りを始める。しかし釣れない。

   今尾さんは魚影を見つけたり、喰わないまでもフライに魚を反応させたりしている。さすがである。
   caddisさんは粘り強くていねいに攻める。さすがである。
   私は川原をうろちょろ走り回って雪にはまり、足のを痛める。さすがである。

私のフライに2回ほど魚が出たがフッキングまでに至らなかった。
だめかなあ、などと思っているとcaddisさんがヤマメをゲット!
私は道路の凍結が怖くて日没少し前に引き上げたが、お二人は別な場所で釣りを続けられた。

明日もご一緒いただく予定である。
メイプルリーブスの夕食にとうじそばが出る。
とうじそばは漢字で書くと投汁(とうじ)そば。奈川村の名物なんだそうである。
ずいぶん奈川村には来ているが知らなかった。
そばよりは薄め、鍋よりは濃いめのつゆで鍋を作る。
具は山菜、キノコ、肉。肉は店によって違うらしいが挽肉、熊肉(!)など。
メープルリーブスでは鶏肉にしている。
あらかじめ茹でておいたそばをとうじかご(右の写真)と呼ばれる
かごにいれて鍋の中で暖め、具と一緒にいただく。
これがうまい!
今回の釣行の中で最大の収穫であった。


2005年3月22日(日)雨
「雨の上宝村
朝、蒲田川に3人が集合。小雨が降っている。
蒲田川では静かに降る雪の日が釣り日和。雨はどうかなー

今尾さんが昨年よかったというポイントへ案内してくれるが残念ながら魚が反応しない。
移動して大きなプール(淵)に行く。
ここではあちこちでライズがある。張り切ってフライを投げるが釣れない。
よく観察してみると魚は浮いているのではなく、底の方にへばりついて時おりさっと水面に上がってくるのである。ただライズしているのか?
ここではかなり粘ったが雨脚が強くなり、寒くてしょうがないので近くの喫茶店でお昼ごはんを食べることにする。
「3人以上には3人も含むのか?」
「小学校ではそう習いましたな」
「渡ってから言われてもなー」


ライズを狙う。
が釣れない。
時おりcaddisさんの絶叫がこだまする。


食べ終わっても動く気がしない。何せ雨だし釣れないしね。
うごうごと3人でいろいろ話をする。
途中で今尾さんの知り合いの方も加わって4人でうごうごと話をする。
うごうごと夕方になった。

今尾さんとcaddisさんはもう少し釣ってみるとのことだったが、私はくたびれたので引き上げることにする。
道の駅でお土産を買った後、お別れした。

この後、今尾さんは1本獲ったそうである。
あきらめてはいかんなー
言い訳がましいが、
地元の方の話では今のところ蒲田川は不調とのこと。
ハッチもライズも少ない状況が続いているらしい。
昨年の台風の影響が大きいようだ。
千曲川と同様のようである。
そんな中でも今尾さんとcaddisさんの集中は切れない。
少しは見習わんと。

つきあっていただいたお二人に感謝。