2005年5月28日(土)晴れ
「30万匹の釣り


猪苗代磐梯高原ICを降りてからコンビニに車を止め、「ペンション風来坊」の一美さんに電話。
今日は一美さんの都合が悪く、一緒に釣りをすることはできない。
「一美さん、昨日は釣りに行きましたか?」
「行きました。爆釣でした!」
一美さんによると昨日は里見栄正さんのDVD撮影があり、K川に案内したのだそうだ。里見さんとは別々に釣ったのだが、一美さんの入ったポイントはあらゆるところから魚が出たと言う。
「うーん、すごいですね。何匹くらい釣れましたか?」
百万匹くらい釣れたそうである。だいたい私の対一美さん漁獲率は30%〜40%(一美さんが10匹釣ると私は3匹〜4匹)である。少なく見積もっても30万匹釣れることになる。
K川に行くことにした。

しかし世の中甘くないのである。

全然ドライフライに反応しない。ハッチは多いのだが不思議なくらい釣れない。
自分の腕を考えると不思議ではないのだが、現場では不思議に思うのだ。

やっとこさヤマメを1匹確保。裏磐梯らしい太ったヤマメなのでまあまあ満足だが30万匹には程遠い。
この時はいつもより水が多いなあと思ったくらいだが、後でこのような話を聞いた。
昨日の夕方は突然雹(ひょう)がたくさん降ってたいへんだったらしい。その後雷雨になったそうだ。
その影響だったのか?
真相はわからないが途中で鉢合わせした餌釣りの人が昨日はよかったけど今日はまったくだめと言っていた。

ついてない。


昨晩あんまり寝ていないので、蕎麦を食べた後に達沢不動滝の駐車場に行って昼寝。
ここは静かでいいです。
夕方になるとむくむくと起き出して再びK川へ。
入渓点にはどこも車がいっぱい。山菜とねまがりだけのシーズンでもあるので釣りの車と区別がつきにくくて困る。
川に下りようとすると、支度をしている二人組みの釣り師がいた。声をかけ、私が別な所に行くことにする。

最上流部の入渓点に行く。ここを知っている人は少ない。案の定車はない。
川に下りる。
沢筋の道を登っていくと梅の花が

釣れない。
午前中と同じである。
しばらくしてイワナが1匹釣れた。このイワナは常識的なポイントから釣れた。なぜ他のポイントで釣れないのか。
よくわかんないまま今日の釣りはお終い。

ペンション風来坊に泊まる。
今日は満室。賑やかだった。

2005年5月29日(日)くもり時々晴れ
釣り大会にエントリーするも」

風来坊のすぐそばにある管理釣り場「裏磐梯フォレストスプリングス」で釣り大会が行われる。今日はこの大会にエントリーして一日遊ぶのだ。
大会は朝6時からだがゆっくり朝食を摂って出発。
受付で入漁料、大会参加費、カヌー使用料を払う。

大会ルールは簡単。一番大きな魚を釣った人が優勝。計量できるのは1匹のみ。
裏磐梯フォレストスプリングスには池が大小二つある。大きい方は池というより沼、湖といった規模だ。
大会はどちらの池でで釣りをしてもかまわない。ただ大きい方の池は陸から狙える場所は限られており、釣るならカヌーを使用することになる。
ちなみにここは管理釣り場としては国内最大の水域面積を誇っている。

一美さんはフォレストスプリングスのマネージャーもしている。
「一美さん、どうですかね、どっちがでかいの釣れますかね?」
一美さんによると、でかい魚はどちらの池にも放しているが、小さい池で釣る方が確率は高いのではないかということだ。
迷わず小さい方の池で釣り始める。

流れ込みのある一番いいポイントが空いていたのでそこに陣取る。
バブルニンフですぐに1匹。40センチくらいのニジマスだったが優勝ラインは70センチと思いリリースする。
ところが時間が経つにつれて魚の反応が悪くなる。あれーおかしーなー
周囲の人もあまり釣れていないようである。

大きい池の方を見るとカヌーの上でYさんが苦戦しているのが見える。
Yさんはペンション風来坊常連のお医者さん。何度か一緒に釣りをさせていただいたことがある。
慣れないとボートやカヌーの上からのキャスティングはままならないものだ。

あっという間に12時になってしまった。計量時間は12時から13時まで。後1時間しかない。
あせっていろいろやってみたが大きいのは釣れない。
とうとう13時になってしまい、私は計量に持ち込むこともできず終了。
結果発表までドクターYさんと受付棟で昼ごはんを食べる。

ドクターのいでたちがすごい。
なんと言うのかはわからないが後頭部を日光から守る布を着け、その上につばの広いハット。そしてレインスーツの上下を着込んでいる。
裏磐梯は日中でも17度くらいしかないが、それにしても厳重だ。
テーブルについてみるとドクターの顔にいくつもあざがある。
「あれ、ドクター、顔をどうかしたんですか?」
聞けば先月東北の川に行って残雪の中で釣りをしたのだそうだ。釣っているときはなんとも思わなかったのだが、後になって顔が腫れてしまった。
いわゆるサンバーンになってしまったらしい。
「これでもだいぶ良くなったんですよ。」

ドクターからいろいろ話を聞く。
昨年は秋田の渓流めぐりをしたそうだ。川によって釣れたり釣れなかったりだが、有名な阿仁川にも行ったとのこと。
「熊が怖いんで向こうについてからカウンターアソールト(クマ撃退用のトウガラシエキス入り強力スプレー)を買ったんですよ。あれを持つと気持ちが強くなりますね。」
「そうなんですか。」
「ええ。いつもならどきどきするようなところも軽く笛を吹いて進んでしまいます。」
「ははー、すごい威力ですね。」
「ピストル持ってるのと同じですよ。」
「持つのも良し悪しですねー」
「そうですね。」
建設的でない会話をしながらカレーを食べる。至福のひと時である。

14時から結果発表。ドクターは39.5センチのニジマスで7位。6位までが入賞なのでおしいところ。
1位は69.5センチのニジマスだった。
私も最初に釣れたやつをリリースしなければ良かったなあ。
後の祭りである。

午後はドクターと一緒にカヌーで釣りをしようと思ったが、用事があるとのことでお帰りになってしまった。
一人でカヌーに乗って釣りをする。
初めてカヌーで出てみたが確かにここは広い。桟橋から少し離れると心細いくらいである。
大きなニジマスが1匹だけ釣れた。

今日もペンション風来坊に泊まる。
釣り大会の様子をAngling誌が取材していた。


客は私一人だったので一美さん一家と一緒に夕飯。
今日は「第24回桧原湖一周ファミリーサイクリング大会」が開催された。
奥様はそのイベントの司会をし、お嬢さんは大会そのものに参加。
一美さんは釣り大会のマネージャーで私は参加者。
今日一日の話で盛り上がる。

2005年5月30日(月)くもり時々小雨
「イルカショー
裏磐梯の季節の花はたんぽぽだ。
今日は一美さんと釣りに行く。
一美さんがZ川に行ってみようと言う。
「そろそろいい頃だと思うんですよ。」

Z川の下流は釣ったことがあるが上の方は初めて。
「大きいのはいるんですか?」
「以前、お客さんが40センチくらいのイワナを釣りました。」
張り切って出かける。



一美さんと交互に釣りあがるが魚が反応しない。
私にイワナが1匹釣れただけ。
水温を計ってみると6度しかない。日陰にはまだ雪が残っている。
「まだ早いんですかねー」
「そうみたいですね。どうしましょう。」
しばらく考えた挙句、おととい釣ったK川に移動することにする。

ちなみにZ川上流はクマが出るので一人では行かないでくださいね、と一美さんに注意される。
カウンターアソールトだな。
Z川唯一の釣果。
しかし尾びれがでかい。
これが尺になったら・・・


K川についてみると平日だというのに山菜採りの車が多い。釣りの車がないことを確かめて入渓。
小雨が降り始めた。
ドライフライを魚が追うがヒットまでには至らない。
後ろから釣りあがってくる一美さんを待っていると2匹ほど釣ったとのこと。
私にも程なくヤマメが1匹釣れた。
この淵ではいつも流れの筋に沿って
フライを流しているが、
右上の魚は筋から少し外れた
流れが少しゆるいところにいた。
(上流に向かって右側)
ここがポイントらしい。

大きな淵に出た。見ているとライズ。
この淵ではなんと2匹釣ることができた。ライズはまだ続いていたが先に進む。
淵のすぐ上で一美さんがいいヤマメを釣り上げる。
ライズ狙いで獲った2匹。


金色の魚体。
際立つパーマーク。
体高も幅もたっぷり。

これが裏磐梯の砲弾ヤマメ。



さらに進んでいくとテトラポットを敷き詰めたところに出た。テトラの間に幅40センチくらいの流れができている。
「ここにいますかねー」
などと眺めているとライズが始まった。ライズなんて生易しいものではなく、ヤマメががばがばジャンプしている。
江ノ島水族館のイルカショーのようである。
フライを投げ込んでみると大きなヤマメがヒット。
同じポイントから一美さんも釣る。
ここでもライズは続いたが先に進むことにした。
手前が一美さん、
奥が私が釣ったヤマメ。
なかなかいい型。
ここでイルカショーが開催された。

今日は1時間に1回くらい激しいハッチがあり、そのときにばたばたと釣れた。
釣った魚はどれもおなかがぱんぱんだ。

もっと釣るぞーと張り切ったが、ある所からとたんに魚っ気がなくなった。いくらやってもだめである。
どうも先行者がいるようなので、一美さんと相談して納竿とした。
風来坊に戻ってシャワーを借りてから着替え。
家路につく。

久しぶりにいい釣りでした。
お疲れ様でした。