2006年7月20日(木)くもり
「増水
だいじょぶですか?

「ちょっと水が多いなあ。」
ペンション風来坊のオーナー一美さんがつぶやく。
え、一美さん、ちょっとですか?行くんですか?
と私がタックルの準備をしながら心の中で絶叫している内に
「(ドライフライに魚の)反応がありました〜」

朝、裏磐梯に到着して一美さんとB沢に来ているのだ。
ここは沢登りの対象ともなるところでなかなかに鋭い川なのだが、今日は水かさを増し轟々と流れている。濁ってはいないが、遡行がたいへんなのと増水のためポイントが限られてしまう。
それでもはあはあ言いながらやっていくと釣れる。全て天然イワナ。水かさのせいもあるのだろうけど、かかると引きが強いです。



今日は沢の上の方に入った。下の方は先月、一美さんが里見栄正さんと釣ったところ数があまり出なかったとのこと。
この沢の上流部はなんだかとってもおもしろい。基本的にはブナ、ミズナラの原生林だが、妙に背の高い草が繁茂していてジャングルっぽいのだ。
しかもところどころ獣臭く、迫力満点である。何かいるな、と感じさせる沢だ。
「足を踏み外さないでください。
ここは下まで落ちちゃいますから」
そういえば前回来た時には一緒の人が軽く落ちた。
目の前からふっと消えましたね。

手にはカウンターアソールト。
でもこの後、クマと同じように一美さんの嫌いなヘビが出た。
私が突付いて追い払う。


夕方、ペンション風来坊に戻る。
一美さんは夕食の支度。私は大倉川に行ってみる。
大倉川も増水。濁りはなくカワゲラが飛んでいる。
ここで人生初の自然渓流でのルアーフィッシングを試みる。
かすりもしない。

夜は風来坊でKさんのお話を聞く。日曜日には桧原湖でバストーナメントがあるのだそうだが、Kさんはそれに参加するため明日からプラクティスを行うとのこと。

2006年7月21日(金)雨
滝のそばの暮らし」
朝から雨。
昼ごろに強く降るという予報である。
一美さんと相談し、脱渓が比較的容易なZ川に行く。Z川は脱渓は比較的容易だがクマも比較的出やすい。
着いてみるとZ川はやや増水。天気が悪く渓も深いのでとても暗い。偏光グラスはポケットにしまって出発した。
Z川もこの辺はイワナばかりだそうだ。
雨の中、ドライフライを流すとぽつぽつ釣れてくる。一美さんは快調のようだが大きいのは出ない。

昨日もそうだったが私も一美さんもばらしが多い。おかしいなあと思いながら釣っていたが、途中でふと気がついた。ドライフライへの魚の出方が強烈なのである。音を立てて飛び出してくるやつもいる。考えるに増水しているために水面への距離感がつかめないのではなかろうか?よく言われるようにヤマメやイワナが岩なんかを目印に定位しているのだとすると水面への距離がいつもより遠くなる。岩は水かさが増しいても動かないからね。それでうまく食いつけないのかも。
推測があたっているのかどうかはわからないが、フライのサイズを上げ、合わせを遅くしてみるとかかりは良くなった。


広い落ち込みで一美さんが連続4本獲る。一美さんが私にもやってみるように言うので同じポイントを同じように釣ってみる。
がダメ。
なぜだ

川の傾斜がいよいよきつくなる。上の方に滝が見えてきた。こんなところにもイワナはいるのだ。
いつもそうだがこういうところでイワナを釣ると「あなたの人生観って?」と聞きたくなる。でも聞かない。聞き返されても困るからだ。

滝のところで釣りを終了し、登山道を下る。
私が途中で用足しをしていると、その隙に一美さんはさっき連続釣りした落ち込みに行って再び2本獲る。一美さんが私にもやってみるように言うので同じポイントを同じように釣ってみる。
がダメ。
なぜだ
滝のすぐそばで釣れたまあまあサイズ。
小さなポケットで暮らしてました。


夕方、ペンション風来坊に戻る。
一美さんは夕食の支度。私はK川に行ってみる。
K川も増水。濁りはなくカワゲラが飛んでいる。
ここで人生二度目の自然渓流でのルアーフィッシングを試みる。
かすりもしない。

夜は風来坊でKさん、本山さん、一美さんの4人で釣りの話。本山さんはエネルギッシュでめちゃめちゃおもしろい人だ。

よく言っとけ

2006年7月22日(土)雨のちくもり
「ハチと薬
上から見るとたいしたことはなかったが、
入ってみると水が多い。
朝から雨である。
Kさんが窓の外を眺めながらうなる。今日もプラクティスなのだそうだが、昨日、船の上はものすごく寒かったらしい。
「ボート予約しちゃったしなあ。」
と出て行かれた。

「今日はどっちにします?」
一美さんが聞いてくる。渓流に行くか、湖でバスを釣るかという選択である。どっちもフライフィッシングなんだけどね。
相談の結果、渓流に決定。K沢下流部に行く。
ここも増水。普段は小さく穏やかな流れだが、今日は川通しで進めないところも何ヶ所かあった。

最初の内はよく釣れたが、しばらくするとあたりが止まってしまった。釣れても小さいのばかりである。なぜかはよくわからない。
この辺りはヤマメ・イワナ混棲とのことだがヤマメは1匹しか釣れなかった。しかも写真を撮る前に逃げられてしまったのだ。残念。

そろそろ上がりましょうか、などと言っていると突然後ろで一美さんの大きな声。振り向くと一美さんが手を押さえている。
ハチに刺されたらしい。見る間に指が膨らんできた。相当痛いとのこと。
釣りをやめて風来坊へ戻る。
ペンションの前で私が帰り支度をしながら見ていると、奥さんが薬を持ってきて一美さんの指に塗っている。仲のいいご夫婦である。みんなもよく考えよう。


一美さん達にご挨拶して風来坊を出発。
時間が早かったので、急に思いついて喜多方へラーメンを食べに行くことにする。
喜多方のラーメン屋には一美さんに何軒か連れて行ってもらった。記憶を頼りにその内の1軒に行く。しかしながら出されたラーメンを見て違う店であることが判明。ラーメンは美味しかったがここではない。
食べ終わって車に乗り走り出すと、すぐに目的のラーメン屋を見つけた。

こんなものだ。