2007年6月8日(金)晴れのち雨
「初心者マーク
8時半頃、おやど風来坊に到着。8時前には着くつもりであったがちょっと寝坊してしまった。いかんなー
オーナーの一美さんと風来坊に宿泊されていたISさんとでさっそく釣りに出かける。行き先はB沢下流部である。
源流部もそろそろいいんではないか、という読みで出かけたのだが釣果は芳しくない。水温は12度くらいでまあまあだが、なんだか水が臭いのである。一美さんも水が濁っていると言う。
源流部の水が汚染されたか?首を傾げつつ進んでいくと川の中に大きな木が倒れていた。
土砂崩れである。まだ新しい。
これで濁りの原因がわかった。案の定、そのすぐ上ですぱっといい型が釣れる。
その後もぽつぽつ釣れたが、ここまで来るのに時間を使いすぎてしまった。山菜を摘んでから登山道伝いに車まで戻る。

この日は風来坊泊。
夕方から夜にかけて雨が降った。
左上:一美さん
左下:ISさん
右:ちょっといいのを釣って
はしゃぐカモノハシ


2007年6月9日(土)くもりのち晴れのち雨
最初の1匹は妙に簡単に釣れた。
でも低水温、増水の影響か、川は沈黙。

今日は一美さんが別のお客さんと釣りに行かれるとのことで、私はISさんと一緒に釣りに行く。
ISさんの希望もあり、昨日のB沢の続きを釣ることにした。
しかしながらISさんは一美さんに渓流釣り、きのこ、山菜を教えた方。私なぞがご一緒するのは360万年早いような気もする。

それにISさんは今日のポイントを釣るのは初めてなので、私がご案内することになる。
「カモノハシさんは行ったことあるから大丈夫ですよね。」
などと一美さんは言っていた。
確かに一美さんと一緒に行ったことはある。
でも、あの時は集中豪雨に見舞われ、増水し始めた川の中を必死で走り、涙を流しながら滝を高巻いて脱出したのだ。
はっきり言ってよく覚えてない。B沢下流部は脱渓点が限られているのだ。しかも昨日から天候が不安定である。
実はよくわかりませんとも言い出せず、B沢に来てしまった。

登山道を使って昨日、脱渓したところから釣り始める。
かんたんに1匹釣る。やっぱりここからは釣れるんだ!などとはしゃいでみたが、その後はさっぱり釣れなくなった。
まったく魚が反応しない。おかしいなと思って水温を計ると10.5度。昨日よりずいぶん低い。昨晩の雨が効いたようである。
結局、私もISさんも朝から夕方まで苦労して2〜3匹の釣果。
「こういうこともあるさ。」
とISさんが言う。
最後の最後で起死回生の1匹を釣るISさん。


風来坊での夕食後、宿泊客のジャスト夫婦、お湯割りさん&Mさんカップル、風来坊の奥様Yさん、そして私とISさんでテーブルを囲みいろいろと話をして騒ぐ。
ジャスト夫婦とYさんが繰り出すコンパニオン向け超能力ゲーム。
元アメフト選手お湯割りさんが語るタックルを受けて指が千切れた話。
そして私の不運な日々について等等。
ビールを2杯飲んだせいなのか、何を聞いてもおかしい。みんなでけたたましく笑う。

ちょっと空中分解気味に風来坊の夜はふけていくのであった。
風来坊オーナー夫妻の結婚25周年をお祝いして
お湯割りさん&Mさんカップルが用意したケーキ。
しかし、その後、奥様が指を折々数えてみると
24周年であることが判明。

このペンションの経営は案外ずさんなのかもしれない。


2007年6月10日(日)くもりときどきするどく雨
新品のウェーダー
新品のシューズ


今日は風来坊で朝食をとったら帰りがけにライギョポイントの開拓をするつもりであったが、どうも行き先の天気が芳しくない。
ライギョハンティングにはよくないようである。
どうしようかなあ、と考えていると、お湯割りさん&Mさんカップルが一美さんからフライフィッシングを教わるというので、そのお手伝いをすることにした。ISさんも近くで釣りをすることにしたので、みんなでわらわらと出かける。

行き先はK川である。
一美さんの基本的な説明の後、キャスティングの練習に入る。一美さんがお湯割りさんを教え、私はMさんに教える。
とは言うものの、私がまともに教えられるはずもなくアドバイスはいい加減である。
しかしMさんは初心者なので、私が(一部の心無い人達から)「クロハラのカモノハシ」と呼ばれているとも知らず、なんでもはいはいと聞いてくれる。

ひとしきり教えた後に離れてMさんのキャスティングを見る。
するとたまげたことにけっこうまともなのである。もちろん始めて1時間くらいしか経っていないので全体的にはバタバタだが、ときおりおやっと思うほどいいループ(フライラインの形)ができる。
以前、ティムコのスタッフの人と話したとき、女性は力まないのでフライキャスティングの上達が早い、と言っていたがどうやら本当のようである。一美さんもMさんのキャスティングを見て「へー」と感心している。
私は不安になった。

そして以降は半分ウソをMさんに教えることにした。

そうしないと来年の今頃は立場が逆転する恐れがあるからである。

ウソはいけないがこの場合は止むを得まい。
一美さんもそーするに決まってる、と思って一美さんの方をチラッと見ると、熱心に教えているらしくお湯割りさんが初心者にしては力強いループを繰り出している。
もはやフライ(毛鉤)の変わりに石ころを結んで練習させるしかない、などと画策しているとお昼ごはんの時間になった。
練習するお湯割りさん(右)、Mさん(左)。


食べている間は大雨だったが、釣り場に移動すると雨も上がった。
これまではシステムの先端にマーカーをつけて練習していたが、今度はフライを結び、あわよくばヤマメ・イワナを釣り上げようという計画である。
Mさんにフライの流し方を教えながら少しずつ上流へ向かう。そしてここなら出るだろうというポイントに来た。
「Mさん、いいですか。あそこに岩がありますよね。あの岩の上流にやつらは隠れています。」
ポイントの解説をしてからフライを落とす場所も教える。

すると

バシャっと魚が出た。
「ひゃあ」
Mさんはびっくり。
残念ながらドラグがかかっていたので針がかりしなかった。実に惜しい。
よし、次のポイントで!と力んだが、ここでタイムアップ。

別れ際に一美さんがお湯割りさんとMさんにタックル一式を渡していた。
「これは貸しますから。次に来るときまでに練習しておいてください。」

お湯割りさん、Mさん、早くうまくなってください。

でも

私のウソには一生気がつかないでいてほしい。