「秋はお祭り
2010年9月10日(金)晴れ

おやど風来坊に着くと、オーナーの一美さん、ジャックさん、Sさんの3人が待っていてくれた。4人でさっそくB沢へ釣りに行く。

B沢はずいぶんと水が出たようで渓相が変わっていた。
入渓点とした小沢も以前はなだらかに下まで続いていたのに、今回降りて行ってみると、最後の5mくらいのところから先がすっぱりなくなっていた。
また、砂がずいぶんと出ていて、大きな淵が埋まってしまっているのにはたまげた。

4人で交代で釣っていく。
ポンポンというわけにはいかないがそれなりの釣果。お互いの魚を褒めたりけなしたりしながら突き進んでいく。

一美さんとジャックさんは釣り雑誌から取材を受けたり原稿を依頼されたりしているような人達。実にうまい。
渓流のフライフィッシングではナチュラルドリフト(自然な形でフライが流れること)が重要だが、お二人のは「これがナチュラルドリフトだ!」というような釣りである。
ちなみにジャックさんのことを所属している釣りクラブのメンバーが「メジャーリーガークラス」と称していた。
やっぱり自分には才能がないのかもしれないと思いつつ釣っていくが、ジャックさんの年間釣行数が100日であることを思い出す。

ジャックさんに
「フライフィッシング以外では何をしているのですか?」
とお聞きすると
「(仕事以外は)何もしていません。」
「暇な時は何をしているのですか?」
「フライタイイングです。」

才能の他に努力も必要なようである。

おやど風来坊泊。

 左はちょっといいサイズのイワナ。
 もう1匹大きいのがいたのだが、そっちはダメでした。



タイトル「脱渓」

左がジャックさん、右がSさん

草むらから人が次々。なんだかマジック風でおもしろい。



おやど風来坊の和室で、奥様がなにやらがさがさやっておられるので、
衣替えでもされているのかと思い聞いてみると、
あさって地域のお祭りがあり、そのビンゴ大会の賞品の袋詰めとのこと。
たいへんな量なので私とSさんでお手伝いする。
それにしても50人分を買ってきたとのことだったが、
ここまで来ると買い物も才能だ。

右は私とSさんに支給された袋詰めアルバイト料のマヨネーズ。
業務用だ。


2010年9月11日(土)晴れのち曇り
一美さんは野球の大会が迫っており、その練習があるとのことなので、今日は一人で釣り。

この野球大会というのをこれまで聞き流していたが、なかなかたいへんな大会のようである。
県内の各市町村にある企業などのチームから選抜されたメンバーで構成されたチームが出場するとのことで、かなりレベルは高いらしい。
失礼ながら一美さんのチームメンバーが「昔、野球をやっていたことがあります」的な人達であるというので草野球なのかと思っていたが、どうもたいへんな勘違いであったようだ。
各チームの投手の球がものすごく速いらしい。
「速い球で打撃練習をしたいのですが、うちのチームに速い球を投げられる人がいません。」

ぜひがんばっていただきたい。


まずはK沢に行き、短い区間を選ぶ。一人なので転んで岩に頭を挟んでしまったりしたら大変だからだ。
慎重に釣り始めたが、途中、何か物音がするなと思っていたら、急にクマのにおいが立ち込めた。あせって笛を吹きまくる。
結局、何ごともなかったが、ここからペースが乱れ、登っている岩の途中から滑り落ちてしまったり、枝に頭をぶつけたりたいへんである。ライブカメラがあったらさぞかし笑えたかと思う。

ここでは小さなイワナを何匹か釣る。
なぜか今日は食いが浅い。合わせるとばれてしまうことが多かった。水が少ないので警戒していたのかもしれない。

お昼ころに川から上がり蕎麦を食べる。
うまい。

午後はS川へ。ここはヤマメが釣れる川だ。
入渓して少し進んだところでヤマメ1匹。その後もヤマメとイワナが少し釣れる。
釣っているうちに曇り空になってきた。ここは森の中の川なので、暗くなるとフライが見にくいのだ。なるべく明るいところを釣っていく。

もうそろそろおしまいにしようかと思い始めた時、ドライフライにばしっと魚が飛びついた。
なかなかいいヤマメ。
うれしくなって今日の釣りは終了。



この日も風来坊に泊まったが、夜半から雨が強く降り始めた。
久しぶりの雨なのでうれしかったが降りすぎだった。
翌朝、何本か川を見て回ったが、いずれも泥濁り。残念ながら帰ることにした。