「大王
2010年12月5日(日)晴れ
今日はサンスイが開催する「フライフィッシング・トラウトフェスタIn川越」に行く。

川越は遠いというイメージがある。
以前、川越でサッカーの試合があったのだが、その時がえらく遠かったように覚えているのだ。
ラーメンの支払いする時に
「円は使えるんですか?」
と思わず聞いてしまった、というジョークをかまして埼玉の人たちのひんしゅくを買った、というほど遠かったように思う。
でも今回、あらためて地図を見るとそんなに遠いわけではない。
関越道を走る。

目的の一つは「テンカラ大王」の異名をとる愛知工業大学教授 石垣尚男先生のテンカラ講座である。

まずは石垣先生のキャスティングデモ。
最初に4m50pの「本流テンカラ竿」と呼ばれる長い竿に8mのラインをつけてキャスティング。ラインといってもただの4号のフロロカーボン糸である。錘も何もついていない。

それなのに

先生が竿を振ると文字通りラインが生き物のように伸びていく。デモに集まった人の多くが一度は先生のキャスティングを見たことがあるようで、反応はいま一つだったが私はびっくり。

次はテンカラ講座。
講座といってもシマノのブースにいる石垣先生にキャスティングを習ったり、いろいろ質問したりときわめてアバウトである。
先生は講座時間中でも堂々とおにぎりを食べたりしているので話しかけるタイミングも難しい。しかし極めて親切。

以下は私と先生との質疑応答である。

「頭上に木があるようなところでのキャスティングがどうするんですか?」
「投げません。そこで木に引っかけるよりは先に進んで多くのポイントを探った方がいい。でもそういうところは竿抜けになっていて大物がいる可能性も高い。そう思ったらひざをついてサイドキャストで狙います。」
「着水した時にラインが暴れるんですが。」
「力みすぎ。力で投げないようにします。」
「白泡の中を釣るときには魚の動き(あたり)が見えないと思いますが。」
「そういう時は上流から毛鉤を流し込んで白泡の中で制止させます。」
「下流から釣ることにこだわらないんですか?」
「原則的には下流からですが、上流からみて良いポイントが見つかることもあります。そういう時は上流から毛鉤を流し込みます。」
「先ほどデモをしていただいた本流テンカラですが、竿とラインの長さを合わせると10mくらい先に毛鉤があることになります。水中の魚の動き(あたり)はわかるんですか?」
「わかります。」
「毛鉤はボディをつけてハックルを巻いたものでいいんでしょうか。」
「ハックルをぱらっと巻いたものでいいです。渓流において魚は毛鉤の細かいところなんかわかりません。ちなみにテンカラの毛鉤はフライと逆でヘッドの方から巻いていきます。」
「それでは特に沈みやすくとか、見えやすくとかいったことも考えなくていいんですか?」
「いいです。毛鉤は最初の1〜2投は浮きますが、後は勝手に沈みますよ。」

たいへん参考になりました。

 ときどきどう反応していいかよくわからない
 駄洒落を飛ばしながらテンカラの説明をする
 石垣先生。
先生のキャスティングは実にスムーズ 


今回は会場のプールで何回かダブルハンドロッドのデモが行われた。
私はスペイとかスカジッドとかさっぱりわからないが見学に行く。

びっくり

40mのキャスティングというのは目の当たりにするとものすごいインパクトである。
ミサイルが飛ぶごとくフライラインが飛ぶのである。擬音的に表現すると

ひゅるひゅるひゅる
ちゅどーん

という感じである。
これさえあれば!と思わずうなる。もっとも具体的に何かがどうなるというわけではない。
さっそくLIFTのブースに行きスイッチロッドを借りて試投してみる。生まれて初めてのダブルハンドである。当たり前だがうまくいかない。
それでもたまにすーっとラインが飛んでいくことがあってなかなかおもしろい。
LIFTの人に聞くと、40m、50mというのは競技会のチャンピオンたちの話だが、30mくらいは努力でなんとかなるとのこと。
これさえあれば!と思わずうなる。


いろいろ勉強になった1日でした。


 ダブルハンドのデモ。
 はるか彼方までラインが飛んでいく。
 この距離はルアーでも難しいだろう。