今朝から」
2011年6月18日(土)曇りのち雨


開田高原に朝7時に到着。
以前、よく行っていたS川に行く。集合時間まであまり時間がない。急いで川に降りる。
新品のテンカラ竿に仕掛けをつなぐ。竿はシマノの天平テンカラ。長さは3.6mだ。
川に入ってみるといきなりアマゴがライズしている。テンカラ第1号になるかもしれない。
慎重にキャストするが毛鉤がうまく飛ばない。飛ばないというよりコントロールが悪い。ぱしぱしやっているうちにアマゴはどこかへ行ってしまった。
その後はまるで魚っ気なし。毛鉤を1つ失くしただけだ。

車に戻り急いで集合場所である開田高原水生植物園の駐車場に向かう。
今日、明日は倉上亘さんが主宰する老眼天空本舗の「石垣テンカラ教室2011 IN 末川」に参加するのだ。
講師はテンカラ大王の異名を取る愛知工業大学教授 石垣尚男先生だ。


テンカラ竿には
シーラカンスシールをあしらってみた。


受付を済ませた後、駐車場内を見渡すと、今夜の宿である「プチビラMTおんたけ」の鈴木さんが遊魚券を販売していた。
おなつかしい。
近づいていくと向こうもこちらに気が付いてくれた。
「あれ?どうしてここにいるんですか?」
「私も石垣先生のテンカラ教室に参加するんですよ。」
「え!いつからテンカラを始めたんですか?今年からですか?」
「えーと、今朝からです。」
この会話を聞いて石垣先生はいたく喜び、
「フライフィッシングの人をテンカラに何人転ばすことができるかを目標にしているんです。」

開会式の後、末川に向かう。
石垣先生がひとわたりデモを行い、それでは各自で釣りを始めてください、という時になって雨が降り始めた。
石垣先生は雨男なのだそうだ。
全員、カッパを着て釣り開始。石垣先生が順番にアドバイスしてくれる。
ただ、残念なことに開田高原は寒冷な気候なので、晴れの日でないと釣れないのだそうだ。真夏であっても晴れの日が良いとのこと。
その渋い中、「TenkaraUSA」のダニエルがイワナを釣る。うまい。


みんなが反応を得られない中、
イワナを釣るダニエル。
本当に上手。


午後になっても雨足は弱まらない。
希望者は石垣先生の講習、釣りをしたい人は各自でということになった。20人くらいの人が集まっていたが、ずぶしろは私一人だけだ。私は当然、講習を受ける。

石垣先生にアドバイスを受けながらみんなで釣り上がっていくが魚が出ない。水温は10度。ちょっと低いかもしれない。
教えていただいたことを思い出しながら釣っていくと大きな巻き返しがあった。そこに毛鉤を入れるとつんと手ごたえ。合わせるとかかった。
ちょうど石垣先生がそばにいらして
「落ち着いて」
と声をかけてくださる。しかしながら人生初のテンカラ釣果。
落ち着けません。
やっとのことで掬ってみるとイワナだった。石垣先生が写真を撮ってくれる。

1匹釣って得意になっているとダニエルが来て4匹釣ったと言う。
石垣先生が
「アメリカの勝ちだ。」
とおっしゃる。私は思わず叫んだ。
「ダニエルさん、私とあなたの違いはなに?」
しかし、ダニエルは私の日本語が良く分からなかったようだ。

雨に打たれて悲しい。



夕方、いったん解散となる。
石垣先生が末川の下の方を釣ってみると言うのでくっついていく。
私は対岸の岩陰から1匹出したがばれてしまった。がっかりしていると石垣先生が釣り上がってきた。
「釣れましたか?」
私がばらしてしまった旨を伝えると
「そうですか。残念ですね。ちょっと上をやってみます。」
石垣先生が毛鉤を打ち込む。毛鉤の流し方がうまい。アマゴが飛び出た。でも空振りだ。
「今のは毛鉤に触っていないからもう一度出るかな?」
次の一投でアマゴをかける。4匹目とのこと。

プチビラMTおんたけにて夕食。
倉上さんの話がおもしろく、笑いながらビールを飲みすぎてしまう。
2011年6月19日(日)曇り
朝、着替えをしようとバックを開けるとテンカラ竿が入っている。一瞬はっとしたが、昨晩のオークションで購入したのを思い出した。
やはりヒマワリ化していたようだ。
今回の教室は東日本大震災のチャリティも兼ねており、参加費の一部が義援金になる。さらに昨日は夕食の後、義援金集めのオークションが開かれた。
普通、オークションというのは競り合って行くものと思うが、倉上さんが買いたいと言う人を見て値段を決めたりするので油断できなかった。
それでもテンカラ竿、フロロカーボンライン、Tシャツなどを購入。おまけにテンカラUSAの毛鉤やシールをもらった。

オークションではいろいろ手に入れる。
犬は違う。

石垣先生の著書
「超明快レベルラインテンカラ」
に直筆サインをいただく。

「一釣懸命 テンカラ大王」


本日も天気が良くない。
石垣先生の講習の後、受講生は釣りをしながら石垣先生の指導を受けることになった。昨日に引き続き魚が出ない。石垣先生の言うように晴れないと駄目のようだ。
テンカラ教室は午前で終了。その後は各自、自由行動だ。私はこのまま釣りを続けようと思ったが、倉上さんたちが西野川キャッチ&リリース区間へ行くというので連れて行っていただく。
30分ほど車を走らせて到着。釣りをしようとテンカラ竿に仕掛けを結んだらあっさり穂先が折れてしまった。
まだ1日目なのに!
さっそくオークションで購入した竿を使う時が来たが、倉上さんがその竿では少し短いと言ってご自分の予備ロッドを貸してくれる。折らねーよーに気をつけよう、と心に誓う。
西野川キャッチ&リリース区間は、倉上さんが注意してくれた通り実に滑りやすい。中流域の川といった風情で、上流に温泉があるらしく水質がすごく良いという感じはしない。石にはコケがびっしり生えている。
有名なところだから人がたくさんいると思ったのだが誰もいない。倉上さんによると
「魚がいないから。」
それでも一般の河川に比べれば魚は残っているとのこと。
ここでは3回ほど毛鉤に魚が反応したが、結局ボウズ。

昨日1匹釣れたからよしとしよう。
石垣先生のテンカラ教室について
石垣先生は大学の教授ということだけあって教え方がたいへんうまい。科学的、理論的であるし、内容がよく整理されている。
技術面・知識面は申し分なく、どんな質問にも明確に指導・回答していただけた。
最初は石垣先生の説明やデモについていくだけで精いっぱいだったが、だんだん私はうれしくなってきた。
なぜかというと、すべてではないにしろ石垣先生の言うことや、やることがわかるのだ。
なぜそこがポイントなのか、なぜそこに毛鉤を打つのか、なぜその速さで流すのか。
自分がいつもフライフィッシングで実践、もしくは実践しようとしていることが多かった。
釣法は違えど狙う魚は同じ。
考え方が一致しても不思議はないのだが、なんだか自分の考えてきたことが裏付けされたようでうれしく、自信にもなったような気がする。