「名手
2011年10月29日(土)晴れ

私の住んでいるところから奥多摩はアクセスがよくないのでめったに行かないが、今日と明日、東京トラウトカントリーにて老眼天空本舗主催の「第3回テンカラファンの集い」が開催される。
私は諸般の事情で初日だけの参加。
開会式のために河原に集まると、ちょっとびっくりするくらいの人数だ。

ゲストがすごい。
沢登りとテンカラをする人なら
だれもが知っている、
渓の翁、瀬畑雄三さん。
東京トラウトカントリー管理人
堀江渓愚さん。
全日本暇人協会顧問(元会長)
下田香津矢さん。
テンカラの鬼の異名をとる
榊原正巳さん。
吉田毛鉤の吉田孝さん。 テンカラ大王
石垣尚男教授。
まずは石垣先生のレベルラインテンカラ講習会に参加。
6月の講習会でもそうだったが、石垣先生はてきぱきとポイントを説明していく。さすが大学教授。
聞いている参加者は少し震えるくらいの気温だが、
石垣先生はシャツのそでをまくり上げての説明。
寒くないのだそうだ。

腰に見える白いものは拡声器。マイクが帽子に取り付けてある。
川に向かってキャスティングしながらの説明もよく聞こえる。
もっとも先生の声はとても大きいが。
お昼を食べた後はサイン会とくじ引き大会。
くじを引いてみると3等。3等は何がもらえるのかと期待したが3等ははずれとのこと。
倉上さんにはかなわない。



次は瀬畑さんのデモストレーション。
この日、開会式を除けば一番人が集まったのではないか。
テンカラのテーパーラインを初めて見たが、落ち込みに毛鉤を投げいれて沈ませる時にはテーパーラインにスラックを入れなど
瀬畑さんの振り込みはフライフィッシングに近い印象を受けた。
瀬畑さんも石垣先生と同じで毛鉤は何でもいいだろうとのこと。
瀬畑さんは自作のテーパーラインを使用するが、
まず最初に
「ラインを冷やすから」
と言って川にラインを沈める。
私が「冷やす?」と首をひねると、
そばにいた吉田孝さんが
「このテーパーラインはナイロンでできています。
水につけるとしなやかさが増すんですよ。
冷やすというのは瀬畑さん独特の言い回しです」

と説明してくださった。
ハードな源流遡行を繰り返すことから
ものすごく屈強なイメージがあったが
瀬畑さんはとても穏やか。
老眼なので毛鉤のアイは見えないんだ、
と言いながら1回でハリスを通してしまう。
続いて下田香津矢さんのデモストレーション。
下田さんはフライフィッシングで使用するレベルラインを適当な長さに切ってテンカラのラインにしている。
このラインの利点として
○振り込みの際に風に強い
○横振り(サイドキャスト)がしやすい
などを挙げておられ、欠点として
○ラインが着水した後にラインの重みで毛鉤が手前に引かれてしまう(いわゆるおつり)
○ラインが水面をたたいてしまう
を説明されていた。
もっとも下田さんのキャスティングはしなやかで着水の際にラインが水面をたたくというような感じはしない。
そのことをお聞きすると
「慣れでしょう」
と笑っておられた。
下田さんは障害物をかわす振り込みについて強調されていた。
それは天井振り、横振り、逆横振り。
フライフィッシングで言えば
タワーキャスト、サイドキャスト、オフショルダーキャスト。

そして
釣れない魚にかまうな、
1匹の魚に30分かけるなら、30分歩いた方がいい、
そのためには近所の公園で走り込みをすることだ、
とのこと。
ごもっとも
これで今日のデモストレーションは終了。
ニジマスを少し釣り、倉上さんにご挨拶して帰宅した。