「選択肢
2012年7月20日(金)晴れたり曇ったり
おやど風来坊では、オーナーの一美さん、お客さんのNさん、Mさんが私を待っていた。
今日はこの4人で渓流のフライフィッシングに行くのだ。

一美さんが
「どこにしましょう。B沢かG川かN川か・・・」
と私に聞いてくる。
釣行先を決めるのは責任重大だ。はずしたらたいへん。
梅雨明けしたばかりであること、今日の天気予報が曇りであること

G川に決定。


釣れなかったら


どうしよう




一美さんとNさんが上流部、私とMさんが下流部を釣る。
下流部の入渓点は全体的に浅く、魚がどこにいるかつかみにくい。
私が
「魚は岸よりの日影にいますよ。」
と教えると、Mさんはていねいに左岸を釣っていく。
フライラインにリーダーを結びながら見ていると、Mさんはほどなく1匹釣りあげた。
おお、私のアドバイスも捨てたもんじゃない、と喜ぶ。
コガネムシを模したフライを結び、私は反対の右岸を狙う。
少し深い流れがある。イワナがいるとしたら流芯だろうとあたりをつけ、本日の第1投。
すると、フライがすっと引き込まれた。合わせると重い手ごたえ。

釣れたのは

尺イワナ



1投目で

尺イワナ


Mさんもほどなくして体高のあるごついイワナを釣りあげてうれしそう。
この川にしてよかったあ
爆釣というわけではないが、釣れれば大きい。25センチクラスが小さく見える。


釣り上がっていくと、川が二股に分かれているところがある。
右に行くと広い流れで、左に行くと狭い流れ。Mさんには右へ行っていただく。
左の流れの最後のポイントは、小さな落ち込みに続く流れ。
ドライフライを流すとばしっと魚が反応した。しかし食いついてはいない。
だめかなと思ってもう一度流すと今度はしっかりフッキング、したかと思ったら糸が切れてしまう。
フライを結びなおし、もう1度流す。さすがに警戒してもう出ないだろうと思ったが、肩のところでばしっとイワナがドライフライにアタックした。
おお、大きい大きい。
これも尺イワナ。
本日2匹目。



時間になったので集合場所へ行くと、一美さんもNさんも大きいのが釣れたとのこと。
全釣り人が幸せな1日。


私って
名ガイドなのかもしれない。


おやど風来坊泊。



2012年7月21日(土)曇り
渓相はいいんだけど・・・


一美さんは仕事があって釣りに行けない。
Nさんと二人で釣りに行く。行先はNさんのリクエストでK川だ。
まずはこの川のメインである山菜採りの橋のところから入渓する。昨日の釣果のこともあるので張り切る二人。





釣れない。
かすりもしない。

今日は福島県の広い範囲に低温注意報が出ているのだ。そう言われてみれば何なく涼しい。いや、涼しすぎる。
テンカラの人が、毛ばりで釣れるのはすこし蒸し暑いくらいの日だと言っていたが、今日は逆。
最後のポイントでやっと小さなヤマメを釣る。Nさんにもボウズを逃れてほしかったが、かけたイワナを惜しくもばらしてしまう。

釣れないので遡行スピードが速い。通常半日コースだが、2時間と少しで来てしまった。
Nさんはもう少しやりたいと言う。無理からぬところだ。状況が変わることを祈り、大きく場所を変更して最下流部に入ってみる。


でもね


釣れないの


しかしながら、がんばって進んで行くとちらちらと魚が反応するようになった。
先程釣れたヤマメもそうだったが、魚は流れの強いところに入っているようだ。
そう考えて流芯を狙っていくと2匹目のヤマメ、次にはまあまあサイズのイワナが釣れた。
Nさんも見事イワナを釣り上げた。

半日コースを2本やったので、さすがに疲れて川から上がる。
このまま帰ると言うNさんとお別れして、おやど風来坊に戻る。

実は今日はまだ予定がある。桧原湖湖畔で「第42回 裏磐梯 火の山まつり」があるのだ。
一美さんが釣りに来られなかったのは、ここで行われる盆踊りのやぐら設営のためなのだ。奥様は3時から会場で司会進行をされている。
そんなわけで今日は風来坊での夕食はなく、まつり会場の露店で食べることとなった。

焼きそば、焼き鳥、焼きモロコシ、フランクフルト

食べ過ぎ






 一美さんたちが設営したやぐら。
 それなりに高いので、作業中はけっこう怖いそうだ。


2012年7月22日(日)晴れたり曇ったり
一美さんは今日も釣りに行けない。
昨日、設営したやぐらの解体があるのだ。
朝食後、奥様と話をするが、奥様の声がハスキーボイスとなり、妙に色っぽいのはアナウンスのしすぎであろう。

仕事というのはたいへんだ。



今日は一人でK沢を釣る。
それなりに山深い所なので、慎重に釣り上がることを肝に銘じる。

釣果は上々。
ドライフライに出るだけで食わない個体もいたが、がっちりくってくる個体が多い。
小さなカディスがたくさん飛んでいる。きっとこれを狙っているのだろうと思い、黒っぽいパラシュートを使う。
イワナを見つけてフライを流すとイワナがゆっくりフライを食べるところが見えたり、往きに魚を釣った淵を帰りに覗いてみると、もう魚がそこについていたりと活性は高い。
大きさは25センチ止まりだが引きが強い。イワナは絶好調のようだ。
たくさん釣れたのでとても満足。



川から上がると原っぱに赤とんぼがたくさん飛んでいる。
青空がきれいなので写真を撮り、車に向かって原っぱを歩く。
赤とんぼたちが私についてくる。



噛みつくなよ



私はハエじゃねぇ











 これは秘密