「取扱説明書」
2015年8月28日(金) 曇り時々晴れ一時雨


佐賀空港でレンタカーの手続き。
毎回、受付をしてくれる女性がおり、私のことを覚えていてくれたらしく、こちらが言う前に
「ロッドケースはお預かりしましょうか?」
と聞いてくれる。他の店員さんも対応が良く、手続きは素早い。
もっとも
「先週、ライギョ釣りに来たお客さんは4日間やってボウズでした。」
などという出鼻をくじく情報も出してくるので油断は禁物だ。

今回もポイント開拓だ。しかしこれが難しい。
ライギョの反応があれば地図には○印だが、もしかするとそのライギョはこのポイントの最後の生き残りなのかもしれない。
反応がなければ×印だが、これもライギョはいるけど反応しないのか、いても私の技術には反応しないのか、はっきりとはわからない。
考えるときりがないのでやめる。

前回、大きいのを取り逃がした所から始める。順番に探っていくが反応はない。スタート地点に戻って反対側を釣っていく。
カバー(ヒシ等水面に繁茂する水草)があまりないので、フロッグ(カエルを模したルアー)にアクションをつけながら泳がせる。
ここは水路になっていて、足場は狭い道路だ。車がときどき通るので、その時は迷惑がかからないように釣りを中断しなくてはならない。

フロッグを投げ込むとトラックがやってきた。そのまま端に寄って、トラックが通り過ぎるのを待つ。
その時、突然フロッグが消えた。ラインがぐっと引かれる。
ライギョだ!!!
早く合わせなけば。でも、今、合わせを入れるとトラックの前に身投げしてしまう。

命か

ライギョか



考えるまでもなく命なので、トラックが通り過ぎるのを待つ。
トラックが通り過ぎると、ぷかーっとフロッグが浮いてきた。

運は使いきった、と思いました。

しかし、ルアーが水の中になければヒットはないので、再びフロッグを投げる。投げる。

すると

フロッグの後ろにふいに大きな魚が現れ、大きな口を開けて、フロッグを一飲みにして、消えた。
あまりのことに一瞬あっけにとられたが、すぐ我にかえり、ルー・テーズのバックドロップもかくや、という合わせを入れる。
どすん、どすんという手応えがなんとも非現実的。一人だしなんだかちょっと怖い、などとと弱気になりつつあるのを我慢して魚を寄せる。
ラインは10号(100lb.)。切られる心配はない。
岸に引きずりあげると82センチのライギョ。

やりました。ついに独力でライギョを釣りました。

ルアー丸飲みの82センチ



その後もポイント開拓に励む。1か所でライギョのアタックがあったが、これは惜しくもフッキングしなかった。
夕方になり、ここを釣ったらホテルに行こう、と小さな水路に向かってロッドを振った。

すると

ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ

リールから異様な音がした。ハンドルを回してリールを回収しようとすると同じ音がする。クラッチを切って糸を引っ張ってみるとやはり同じ音だ。
ドラグやメカニカルブレーキに異常はないようだ。
ええええええ
故障!?

どうしよう。今日来たばっかりなのに。明日は釣りできるかな。サンスイに電話してみようか。でも電話で聞くだけで修理方法がわかるかな。ドライバーはどこで手に入るだろう。どうしようどうしようどうしようどうしよう・・・・・・・・・
一気にパニック。考えがまとまらない。
その時、ふっとWTさんが佐賀市内に「BOMBER」というライギョのプロショップがある、と言っていたのを思い出した。私もHPを見た気がする。
カーナビで検索するとあった。そんなに遠くない。車で行ってみると幸いなことにお店はすぐに見つかった。
お店に飛び込み
「アブのリールの調子がおかしいんですが見てもらえますか?」
全力でうろたえつつ言うと、店長が
「どうぞ。」
と快く返事をしてくれる。
リールを見せると
「これは故障じゃありません。・・・ほら直りました。」
「え」
「ここのノブを動かすと音がするんです。こうしておいてラインを引っ張ると音がする。これを戻して引っ張ると音がしない。」
「え」
「クリッカー(ラインアラーム)という機能なんです。」
「え」
「アブのリールはライギョ専用ではないですよね。普通の釣りに使う人もいるんです。魚が針にかかってラインを引っ張ると音がして、釣れたのがわかるようになっているんです。置き竿に付ける鈴みたいなもんです。」
「え」
「6500(リールの大きさを表す数字)には全部付いてると思いますよ。」
「え」
「パーミング(リールを手で包み込むように持つこと)をすると動いてしまうことがあるんですよね。」
「え・・・・・・」

どっと力が抜ける。今度から取扱説明書はていねいに読もう。

落ち着いてみると、BOMBERは店内が2つに仕切られていて、片方はライギョのプロショップ。片方が喫茶店になっている。
すっかりのどが渇いていたのでアイスコーヒーをいただき、欲しかったポッパータイプのフロッグを1個購入。
店長から佐賀を訪れるライギョアングラーのお話など聞きながら、今日の釣りは終了。

ちなみにこれがクリッカー(ラインアラーム)のスイッチ


2015年8月29日(土)曇りのち雨

朝、車で走っていると、ライギョ釣りの準備をしている人を見かける。あそこは釣れるんだ。すばやく地図にメモを書く。
昨日、ライギョの反応があったポイントから釣り開始。しかし反応がない。次のポイントもない。次のポイントもない。
そのうち雨になる。小雨の予報だったが、しだいに本降りとなる。畦道を歩いたら靴がすっかり濡れてしまった。仕方ないのでイオン佐賀大和店に行ってスニーカーを購入。

その後もライギョの反応はなかったが、夕方、ここで最後にしようというところでライギョのアタック。合わせを入れたが残念ながらすっぽ抜け。
しかしながらけっこう大きなライギョだったので、ちょっと興奮。


2015年8月30日(日)曇り時々晴れ

早朝、ホテルをチェックアウト。今日もポイント開拓である。
フロッグを投げていると水面を割って魚が飛びついた。あれ、これはライギョじゃないな。
引き上げてみるとブラックバス。42センチもある。トップ専門でバスを狙う人たちがいるが、なるほど、こんなふうに釣れるのなら面白いだろうな、と思う。
しかしライギョは来ない。
このバスもフロッグを丸飲み


一昨日釣れたポイントに行ってみる。
釣り始めると、大きな音を立ててライギョが飛び出した。しかし合わせが早かったらしくフロッグがはずれてしまう。
ああ、惜しい。

でも次のアタックはみごとにフッキング。そんなに大きくない。岸にあげてみると60センチくらいか。でも1匹は1匹。

その後は2回ほどあたりがあったが釣ることはできなかった。

だいぶポイントも探れたし。
また来よう。
ちょっと小さい