「DC」
2015年11月1日(日)晴れ、風強し


伊豆へメッキを釣りに行く。
と言うより、伊豆に行くのでメッキを釣る。
一人で行くなら深夜出発だが、配偶者が一緒なのでのんびり出発である。
お昼すぎ、稲取港に到着。タックルを組み立てる。
これまでメッキ釣りには渓流用のタックルを使用していたが、やはりいろいろ問題も多く、今回はいわゆるライトソルト用のタックルを新調した。

タックルについてはここのところ反省点が多い。
8月のライギョ釣りでは、リールのクリッカー機能を知らず、故障かと思い大騒ぎしてしまった。
BOMBERの店長に教えていただいたから良かったようなものの、妙な行動に走りかねないところであった。
また、先日のシロザケ釣りではリールのパーツを失くしてしまった。フライラインがからんだのでスプールをはずそうとしたのだが、操作方法がわからず間違って分解してしまい、パーツの一つを川に落としてしまったのだ。幸い、横浜サンスイに依頼したらシマノから2日でパーツが届いた。
横浜サンスイの店員AKBさんに
「早いですね。これ、シマノの営業の人が持ってきたんですか?」
「いいえ。宅配便です。」
「そうですか。代金はいくらですか?」
「100円です。」

100円

宅配便代の方が高いだろう。
シマノには多大なご迷惑をおかけした。申し訳ない。



私はタックル、要するに釣り具にあまり思い入れはない。開口健さんの随筆に、オフシーズンの夜、タックルを取り出してひとつひとつ眺めるのが楽しい、というようなことが書いてあったが、私はあまりそういうことはしない。
皆さんはします?
私は簡単な手入れはしますが、後は特に手に取ることはないですねえ。
そもそも購入する時も、#6のロッドが欲しかったら店に行って
「#6のロッドくださーい。」
といい、値段とデザインが良ければ購入してしまう。家に帰って来てからも機能は確認するがそれがすんだら仕舞ってしまい、練習は別として釣り当日までは手に取らない。
しかしながら、こういう態度が不測の事態が起こった際の対応の弱さになってしまったので、これからは少しタックルを大事にしようと思う次第です。

という訳で本日のタックルの紹介。

ロッド:Angler’s Republic SFGS-69UL-TW <Twitcher>
リール:シマノ STRADIC C2000HGS
ライン:VARIVAS AVANI Light Game SUPER PREMIUM PE 0.3号
ショックリーダー:VARIVAS TROUT SHOCK LEADER 1.5号
ルアー:Rapala 五目ルアー

ちなみにロッド以外は横浜サンスイで購入したが、その時にシーバス(スズキ)用のベイトタックルも見せてもらった。
店員のISさんがシマノのベイトキャスティングリールを取り出し、
「これが新しく出たサミングがいらないリールです。」
と教えてくれた。
サミング不要のリールが販売されたことは知っていた。ダイヤル設定を変えることで適正なブレーキが効くという話だ。ベイトキャスティングリールのブレーキについては各社工夫を凝らしており、その延長だと理解していた。
ところが、ISさんの説明を聞いていると、なにやら聞きなれない単語が出てくる。
「ん?今、デジタルコントロールって言いました。」
「はい。これ、デジタルコントロールなんです。」
「はあ?・・・・・えっ、このリールは電気仕掛けなんですか?電池が入っているんですか?」
「電池が入っているわけではないんですが」
とISさんはわざわざリールを分解して説明してくれた。
「ルアーを投げるとスプールが回りますよね。ここがコイルと磁石の関係になっていて電流が流れるんです。その電流でこの基板が動きます。」
「き・・・基板!?リールに基板!」
「そうです。そうするとこのダイヤルに合わせたプログラムが作動して、適正なブレーキがかかります。」
「プ・・・プログラム・・・リールにプログラム・・・」
「まったくサミングしなくていいというわけではないんですが、ほら、聞こえます?スプールを回すとしばらくして音がするでしょう。この音がしたらサミングします。そうするとバックラッシュが起きないです。」
「・・・・・・」
「すごいですよね。まあ、他のジャンル、例えば家電のエンジニアから見たらかんたんなテクノロジーなんでしょうけど。」
ISさんがリールを渡してくれた。握りこぶしくらいのリールである。このリールも進化して、いつの日かインターネットに繋がるのだろう。
ある意味、「変わらないこと」に価値を見出しているフライフィッシングの世界にいると、他の釣りの技術変化から取り残されてしまう。
いいんだか、悪いんだか。
30分位、このリールを手にして考えてしまった。




さて、メッキ釣りである。
港にいたネコの写真を撮って、釣り開始。
シンキングミノーを投げてみるが、追ってくるのはメッキではない小魚である。ジグヘッドにワームをつけてみると、がじがじと手応えがある。引き上げてみるとワームがぷっつりと噛み切られていた。フグかなにかいるのだろう。
フグと戯れていてもしょうがない。
あたりを見渡すと、向こうの方にスロープが見える。スロープはメッキのポイントなのだそうだ。よくわからないが、メッキは浅いところが好き、といことなのだろう。
歩いて行ってみるとスロープの横には川が流れ込んでおり良いポイントだ。潮も効いてきたようで海水がざわついている。
ルアーをポッパーに変えて投げる。パシャパシャと景気よく水しぶきが立つ。
こんなに派手な水しぶきでいいのかなあ、などと思いつつリールを巻いているとかつんと手応えがあった。
おお?
釣り上げてみるとメッキ!
絵に描いたように釣れてしまってびっくりである。



近くでフライフィッシングで釣っている人がいたので話しかけてみる。
「私も普段はフライフィッシングをやってるんです。でも、海でフライをやっていると、子供とか、犬とか、犬を散歩させているじいさんとかを釣ってしまいそうで。」
「確かに。海でフライをやっていると必ず『何を釣ってるんですか?』と聞かれます。危ないし、何って言われても困りますけどね。釣れましたか?」
「ポッパーでメッキが釣れました。でも後が続かないです。フライはどうですか?」
「昨晩は25センチのメバルが釣れました。よく引きましたね。でも暗闇でフライキャスティングすると自分にも危ないですね。」
この方からは三浦半島でメッキが釣れている所を教えていただいた。
今度行ってみよう。



翌日も釣りをする予定だったが、天気がものすごく悪く、釣りはせず熱川バナナ・ワニ園を見て帰宅した。