「熱波」
2019年9月6日(金)すごく晴れ
ドライフライをキャストしようとすると、上流から熱い風が吹きおろしてくる。

普通、渓流の風はさわやかなものだが今日は違う。
ここへ来るまでの登山道を歩いているときから暑かった。
一美さんは
「早く水に入りたい。」
などと陸に引き上げられたカッパのようなことを言う。
それなりに標高のあるこの川の中ですらこうだ。街中はものすごく暑いのだろう。

おやど風来坊の一美さんと二人、フライフィッシングで釣り始めたが、あまりの暑さにイワナの出が悪い。
ゆっくりドライフライをくわえに来るのではなく、ばしっと激しく出たり、あるいは途中で引き返してしまう。そのため何匹かのイワナはスレ掛りだ。
それでも暑さと闘いながら釣り上がっていくと、何匹かいいイワナが釣れた。

釣り終わって川から上がると、二人ともバケツの水をかぶったかのごとくびしょぬれ。
一美さん談
「2キロはやせた。」


もっとも、おやど風来坊に帰る途中、二人でアイスクリーム食った。

水の中にいると涼しくてよい。
一美さんが釣った大物


2019年9月7日(土)すごく晴れ


今日はヒルクライムレースがあるので、
村の中は朝からウォーミングアップする人でいっぱいだ。


一美さんは歯医者に行くとのことなので、一人でK沢に釣りに行く。
ここは昨日、おやど風来坊に宿泊した別なお客さんが釣りに行き、「何もいなかった」との報告があった川であるが、まあ行ってみる。

めちゃめちゃに暑い。いつもはちょっと涼しいくらいの川だが今日は違う。それに気がついたのだが、暑いだけではなく空気が乾燥している。だから川に虫がいないのだ。
案の定、行けども行けども釣れるのは高水温に強い稚魚だけ。
あきらめて昼には脱渓した。

果樹園の販売店に入っていくと、おばあちゃんが「あついねえ」とあいさつしてくる。今日の話題は暑さだ。

夕方、K川に行ってみる。
川のそばで身支度していると、急に獣の匂いが!
クマかと思って焦ったが、落ち着いてみると獣の匂いではなく、単に自分が汗くさいだけのであった。
きたな

陽は傾いたがたいして涼しくもならず、ドライフライが川面を漂うのみ。

だめだ。


おやど風来坊泊。

こういう季節になりました。


2019年9月8日(日)晴れときどき曇り

天気予報を見ていると、明朝は台風が関東を直撃とのこと。釣りは昼までとする。
一美さんと二人でO川へ行く。
昨日までに比べればいくぶん暑さも和らいだように思えるが、それでも十分に暑い。

釣り始めてみると
ドライフライにイワナが反応するのだがくわない。Uターンされてしまう。なぜだ?
一美さんはぽつぽつと釣っていくのに自分には来ないのだ。焦ってフライのサイズを#8から#14に落とす。
するとイワナは掛かるようになったが、今度はばれてしまう。
なぜだ?
とうめきながら釣っていったが、とうとう脱渓点まで来てしまった。

川から上がり車のそばでウェーダーを脱いでいると、ルアーの二人組が上がってきた。聞けば早朝から川に入り、ずっと上流まで釣っていき、今、戻ってきたのだそうだ。
なるほど。ルアーの後を釣っていたのか。それですれていたのか。
でも、その状況下で釣ってしまう一美さんはすごい!と感心しつつ今回の釣行は終了した。