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「宴会風」
2017年10月1日(日)晴れときどき曇り
私は登山というものに好意を抱いていない。

以前、ガイドさんに連れられて巻機山に登った。その時は沢登りだったが、とにかく山頂まで行った。山頂はたいへん美しい所で良かったのだが、10分もしないうちに撤収である。
何しに来たんだかよくわからない。
また、私的には
登山→遭難死亡

という方程式があって、山ではなかなか気が休まらないのである。
みんなが同じ山頂を目指す、というのもやや理解不能である。

しかし

これから一人で福島県の安達太良山に登るのだ。

いろいろなことが起こり
いろいろな思考が錯綜し

登るのである。
名目的には「紅葉登山」だ。


あだたらやまロープウェイが8時30分から動くというので、宿泊していたおやど風来坊を7時に出発。
私と同じような方程式を持っている人もたくさんいるだろうし、ロープウェイの始発に乗ろうとするようなもの好きはいないだろうと思っていたが、駐車場に着いてみると

いた。


私も支度をしてロープウェイの列に並ぶ。私の前に100人くらいはいるだろう。
もしかすると生死を共にするかもしれない人たちなのでしばらく観察するが、まあ、どうということはない一般の人たちである。
飽きたので次にロープウェイを眺める。
施設の入り口のシャッターは閉まったままだが、ロープウェイは動いている。なんだ、動いているなら早く乗せてくれrばいいのに、とブーブー言っていたのだが、はっと気がついた。
このロープウェイ、降りてくるゴンドラがない!昇っていくだけだ。
ええ?
普通、ロープウェイといったら均等にゴンドラが吊り下がっていて、くるくる回ってるのではないの?
再びはっと気づく。
そうか。前日の終業時点でゴンドラはすべて回収してしまうのだ。そして、今、始発に備えてゴンドラを取り付けて送り出しているところなんだ。だから一番最初に山麓駅を出発したゴンドラはまだ戻ってきていないのだ。
しばらくじっと観察していると、山頂の方から先頭のゴンドラが降りてきた。
ロープウェイの始発を待つことなど今までなかったので、今日は珍しい体験ができた。うれしいので後ろに並んでいる女性に話しかけようとしたが、その女性は妙に悲しそうな様子なのでやめた。
入り口のシャッターが開いていよいよ出発だ。
 丸の中が今日の1号機。
 思いっきり一人です。

 何を準備していいかわかりませんでした。

 昨晩はビールを飲みすぎました。

 天気予報を見る時間がありませんでした。

 登山者カード?後で書きます。


ロープウェイの山頂駅からすぐのところに薬師岳展望台があり、ほとんどの人がここで写真を撮っている。私も数枚撮影したが、特にやることもないのですぐに出発。
この日の先頭グループに入ったとは思うが、なにせ多くの人が登っているので、狭くなっているところでは渋滞もおきる。

足元に気をつけながら登っていく。

村上宣ェ先生の野宿大全に曰く
『バックパッキングでのウォーキングのペースは、「ゆっくり」と「もっとゆっくり」の二つである。』

後ろから早い人が来れば道を譲る。しかし中には村上先生の教えを完全にマスターし、動いていないのではないか、と思わせるような方もいるので、そこは挨拶して抜かせていただく。

どうせすぐにばててしまうだろうと自分で予想していたのだが、案外そうでもなく、5分ほど休んだ他は歩き続け1時間ほどで山頂が見えてきた。
でもここからが長いのだろうと予想したが、さらにあっけなく10分ほどで着いてしまった。
登山というよりはハイキングだな。

安達太良山の山頂は「乳首」と呼ばれる岩山だ。登れるところは限られているのでみんなで並んで登る。
途中に一か所、2メートルくらいの岩を登らなくてはならない。手がかり足がかりはたくさんあるので問題ないのだが、なにせ岩山の途中なので間違えて落ちれば死亡の可能性があるところだ。
ここはひとつ30分ほどルートファインディングにかけたいところだが、後ろに並んでいる人たちから「早く行けよ馬鹿野郎」光線がびしびしと発せられているので、15秒で登る。

安達太良山山頂に到着!標高1700m


巻機山のこともあり、ゆっくり山頂を楽しもうと思ったが、数枚写真を撮るとやることがない。確かに見晴らしはいいのだけど。
しかも大して広くない山頂で、お弁当を広げる人、お湯を沸かしてカップラーメンを作る人、何やら叫ぶ人などがいて、見ようによっては営業第3部の忘年会旅行である。
恥ずかしいが、結局10分ほどで乳首から降りる。
登山は難しいね。

地図を広げて下山コースを確認していると、近くにいた女性が
「あれ見て。すごい。」
と連れの男性に言っている。なんだろうと振り向くと、おお!登山者が列をなして登ってくる。すごい人だ。


芥川龍之介 蜘蛛の糸


少し慌てて出発する。
安達太良山から鉄山に向かう道は「牛ノ背」と呼ばれるところ。要するに鞍部ということなのだが、ここが一番気持ちの良い所だった。
左右に谷が広がり、空を飛んでいるかのよう。なるほど、天狗というのはこういうところに住んでいるんですね。

さらに進むと左手に大きな白い谷。
沼ノ平という立ち入り禁止区域だ。硫黄のにおいがする。遠くに見えるのは秋元湖だろう。
ここから隣にいる人を落としたら死ぬんだろうか?即死はしないけどガスに巻かれて死ぬんだろうか?月に何人くらい落ちるのだろうか?
いろいろ考察しながらしばし休憩。


ここからは下り。
火山だからなのか石やら砂やらが多く歩きにくい。気をつけるが滑ってしまう。滑るとフットサルで痛めた膝が痛い。
途中、くろがね小屋でトイレを借りる。後は割ときれいな道で快調に歩いて行く。
もう少しでロープウェイの山麓駅というところでやっとお腹が空いてきたので、ベンチに座っておにぎりを食べた。

下山後は温泉に入り完了。

登山の感想?



うーん?