2003年4月12日(土)雨
「カモノハシ、玄倉川でめげる」





BOSSさんと昼前に横浜を出た時には晴れていたのですが、丹沢についてしばらくすると雨が降ってきました。
天気予報では今日は雨、明日は晴れとのことでしたが、今日の雨の降り始めが遅いのでいやな予感がします。
この週末は玄倉川に釣行です。
前々からBOSSさんに連れて行ってもらえるようお願いしていたのですが、いよいよ決行となりました。

神奈川の丹沢湖には3本の川が流れ込んでいます。
西から流れ込むのが昨年釣りをした世附川(よづくがわ)。
北から流れ込むのが中川。ちなみに中川をずっと遡っていって山を越えると有名な道志川に出ることになります。
そして丹沢湖の東側にあるのが玄倉川(くろくらがわ)です。

車止めからだいぶ上っていったところにある山小屋の軒先で釣り支度をします。
BOSSさんの計画では、今日は山道をある程度歩いてからから川に降り、釣り上がりながら明日入る予定の沢の入口まで行って入渓点を確認します。
そして明日は山道を一気に入渓点まで上り沢に入ります。

さて、山肌を上り始めて驚いたのですが道らしい道がありません。
広い所もあるのですが、道幅が20センチくらいしかないところ大半です。下を見るとけっこうな高度。
BOSSさんに聞いてみるとここは廃道とのこと。つまり昔は使われていた登山道なんですね。
橋も何ヶ所かあるのですが崩れてしまっているところも多く、慎重に進まなくてはなりません。
私はBOSSさんの歩いた後を確認しながらついて行くのが精一杯です。

しばらく歩いてから川に降り、雨の中を二人で釣り始めました。
しかしさっぱり反応がありません。BOSSさんが首を傾げます。水温も8度くらいしかないとのこと。
BOSSさんがやっと小さいのを1匹釣りました。
釣り上がっていくと滝にぶつかりました。明日はこの滝を大きく巻いて沢に入るのだそうです。
「明日はここを上るんですよ」
とBOSSさんが指差す先はすごい傾斜です。ひえー
廃道を山小屋まで戻り、夕食の時間まで下流を釣りました。ここでも反応はなし。
ライズを見つけましたがフライには反応しませんでした。
上:廃道を行くBOSSさん。
ここは相当足場のいい方です。

あきらめて山小屋で夕食。今夜はここに泊まります。私達の他には3人連れのグループがいるだけでした。
お風呂に入ってからストーブの回りでBOSSさんとフライボックスを見せっこしていると、同宿の方の一人が興味を持ってビデオに撮らせてほしいと言います。
業務用のりっぱなカメラです。丹沢に来ては四季の移り変わりをビデオで撮影しているそうです。
カメラが回ってお仲間の一人が臨時リポーターになり、BOSSさんと私がフライの説明をします。妙な気分でしたね。


ここは9時消灯。
ベッドに入ると急に不安になってきました。
今日の廃道歩きは応えました。肉体的に疲れたのではなく、気を使って歩くので気分的にきてしまったようです。
明日はあの廃道を進んでさらに沢を釣り上がり、下ってきてまた廃道を戻るわけです。
私にできるでしょうか?どう考えてもどこかでミスをしてしまうに違いありません。
雨は夜になってもやみません。足場も悪くなっているでしょう。
私には無理。なにせこの間もMTBでぶっ飛んだばかりです。とてもできそうにありません。
しばらく考えましたが、明日は中止にしよう!そう決めました。
BOSSさんにあやまって中止にしよう。
そうだよな。そうだよな。
場合によってはYGLとかでもいいんじゃないだろうか?
そうだよな。そうだよな。

暇なのでどんどん勝手なことを考えてしまいます。
でもそう決めると、気分が急に楽になりました。



これが「正直者の滝」。
うそつきや日ごろの行いが悪い者は
必ず落ちるという伝説があります。

去年はBOSSさんが落ちました。





翌日の釣行記はこちら