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2003年9月24日(水)雨
「魚も釣る、足もつる」
朝、目が覚めると雨。
でも釣りに行くと雨になる法則に生きるカモノハシは驚きません。

今日はゲストハウスライズのオーナー名藤(なふじ)さんのフライフィッシングガイドサービスをお願いしています。
禁漁間際でもあり、天候も崩れそうなので、どこに行くか名藤さんは昨日から地図を出していろいろ考えていたようです。
朝食後、出発。今日は岐阜県側で釣るとのこと。
私の車を名藤さんが運転してくれます。
林道をしばらく走って目的地に到着。なるほど、案内してもらわなければ生涯ここに来ることはなかったろうなあ、と思わせる川です。
鉈を使って杖を作りながらガイドをする名藤さん。

右は岩の下に逃げ込んだイワナを
素手で追う名藤さん。
これもガイドサービスの一環か!?

釣り支度をして川に入ります。
あれ、名藤さんはロッドを持ってません。
「ガイドサービスの時は釣りはしません。持ってきたロッドは何かの時のための予備です。
初心者の人にキャスティングも教えるような時はロッドを持ちますけど。そういうわけですから今日は一人で釣り切ってください。」
「はあ」

ちなみにこの日は一日雨。時には強く降り、ドライフライが沈んでしまうこともありました。
気温は低く、吐く息が凍るほど。しかしハッチはそれなりにあり、雨足が弱い時には虫の姿もけっこう見られました。
ただ、渓が暗いためあまりシャープな写真は撮ることができませんでした。
この川での初の獲物。
ボウズがなくなり名藤さんも一安心。


ドライフライで釣り上がって行きます。魚は全てイワナ。
このあたりは放流していないとのことで、ぽつぽつと釣れる魚はなかなかきれいです。
あわせそこなったり、ティペットを切られたりしながら進みます。
名藤さんは後ろからついてきて、私が見落としたポイントを教えてくれたり、状況に合ったフライを選んで結んでくれたりします。
今回のガイドサービスで、名藤さんから唯一ほめられたのは枝に絡まったフライを回収する技術。
「回収率高いですねえ」
これに関しては年季が違いますからね。


堰堤下のプールに来ました。さっき林道にいたヒキガエルのごとくはいつくばってキャスト可能なところまでにじり寄ります。
名藤さんが
「ここには(魚が)溜まっていると思う。絶対に立ち上がらないで釣ってください。」
結局ここでは1時間以上釣ったのですが、キャストする時も、魚を取り込むときも、枝に引っかかったフライを回収する時も伏せたまま。寒いので足がつってしまいました。
本当にこのプールはよく釣れました。28センチ位のを2匹、その他に3匹。ちょっとした管理釣り場並みでした。うひゃひゃ。
しゃがみこんだままキャスト。

名藤さんが次々と
フライを落とすポイントを指示してくれます。
釣れたイワナを洗面器に
次々と放り込んでいたら
少し酸欠気味に。
あわてて浅瀬に放したのが右上の図。

左は一番大きいのを持って喜ぶ私。


いったん車で少し下流に戻り、川に入りなおします。
「このあたりは少し難しいかもしれない。」
と名藤さんが言います。
なるほど、フライを投げてみると見に来て引き返す魚がいます。やなやつらだなあ。
それでも何匹か釣れてきます。私としてはいい型も混じります。
なかなか大きなイワナ。
名藤さんがストマックポンプで調べると、カゲロウなどの他に
緑色の芋虫を食べていました。


しばらく進むと大きなプールに出ました。名藤さんに言われたとおり、少しずつ上流を釣っていきます。
大きな石がある回りを丹念に流しますが、魚は出てきません。
流芯かなあと思い、フライを流すと静かに魚がフライをくわえました。
「来ました!」
「釣れました?寄せて寄せて」
名藤さんに言われますがなかなか魚が寄りません。
「うわ、これ大きいかもしれない。」
「あ、大きいですね。」
名藤さんがネットで掬うとなかなかのイワナ。尺か!との声もありましたが、慎重に計ってみると28.5センチ。
これが今日の最大で最後の魚でした。
なんだか今尾栄仁さんの描くイワナに似てますねえ。


暗くなる前に終了。ちょっと寒かったですが楽しい1日でした。

雨は翌日になってもやむことがなく、25日は釣りをせずに帰りました。